暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第二百五十一話 蝦夷統一を前にその四

[8]前話 [2]次話
「だからだ」
「昔は西瓜の種って食べなかったっちゃ」
 愛実が言ってきた。
「うちはそうだったっちゃ」
「食うと盲腸になるとかな」
「言われていたっちゃが」
「それは迷信だ、特にだ」
「それはないっちゃな」
「別に何ともない」
 西瓜の種を食ってもというのだ。
「むしろだ」
「食べるとっちゃ」
「栄養にいい筈だ」
「種だからっちゃな」
「種や木の実は栄養の塊だからな」
「そうっちゃな」
「むしろ食って悪いことはあるか」 
 それはというと。
「俺はないとだ」
「思ってるっちゃな」
「迷信だな」
「盲腸になることはっちゃな」
「噛んで砕いて食えばいい」
 そうすればというのだ。
「何の問題はない」
「そうっちゃな」
「西瓜はあと天麩羅と食い合わせが悪いと言うな」
「よく言われるっちゃ」
「鰻と梅干もでな」
「そっちもっちゃな」
「しかしどれも迷信だ」
 この食い合わせの話もというのだ。
「別に食ってもだ」
「何もないっちゃな」
「そうだ」
 英雄は断言した。
「俺はどちらも共に食ったが」
「何ともなかったっちゃ」
「腹を壊すことはなかった」
 言われている通りのことはなかったというのだ。
「全くな」
「そうだったっちゃな」
「美味かった」  
 英雄はこう言った、事実板垣退助が百姓達の前でその食い合わせで食べてみて何もなく迷信であることを証明したという話がある。
「だからだ」
「西瓜はっちゃな」
「俺は種も食うしな」
「天麩羅を食べてもっちゃな」
「食う、冷えたものと熱いものは共に食わないが」
「それはよくないっちゃ」
「そうだ、しかしな」
 それでもというのだ。
「迷信はな」
「信じないっちゃな」
「科学的に証明されているならだ」
「そちらを信じるっちゃな」
「あくまでその時点の科学だがな」
「今の時点っちゃな」
「科学も学問で常に進歩している」
 このことも言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ