第二十四話 あえて聞いたその八
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「こうしたことって」
「いや、昔はそれ位の年齢で結婚してたでしょ」
「中学に入る年齢で」
「前田利家さんの奥さんだってね」
おまつという、彼の良妻として知られ加賀百万石の土台を築くことを助けたことでも広く知られている。
「十二歳でよ」
「結婚したの」
「それですぐに子供産んでるのよ」
「私より年下で」
「そぷ、十二歳か十三歳でね」
まさにその年齢でというのだ。
「中学一年の頃にはね」
「もう子供いたのね」
「そうだったからね」
「中学に入ってすぐに教えてくれたのね」
「ええ、そのこともあって」
「そうなのね、しかし中学生になってすぐに子供出来るって」
かな恵はこのことに引きながら言った、それもかなり。
「凄いわね」
「流石に当時でも言われたらしいわ」
「十二歳か十三歳で子供出来るとか」
「前田利家さんも早過ぎるってね」
「そりゃそうよね」
かな恵もそれはと頷いた。
「流石に」
「ちなみに利家さんは一八〇以上あってね」
それだけの背でというのだ。
「二十代だったわ」
「今だと確実に犯罪ね」
かな恵は目を座らせて述べた。
「アウトもいいところだわ」
「だから当時も問題になったのよ」
「早過ぎるって」
「そうね、けれどその年齢になったらね」
十二歳や十三歳でというのだ。
「子供出来るのよ、だったらね」
「知っておくことなのね」
「妊娠とか性病とかね」
「そうしたことを」
「それで教えたのよ、妊娠はやっぱり結婚してからで」
「性病にはならない」
「まさにその為によ」
娘に確かな声で話した。
「お母さんもね」
「教えてくれたのね」
「全部ね、本当に妊娠しても大変だし」
「梅毒になってもよね」
「大変だから」
「そうならない為の知識ね」
「それを教えるのも教育よ」
まさにというのだ。
「親の務めよ。自分の子供が幸せになって欲しいなら」
「こうしたことも教えないと駄目なのね」
「そうよ、親は何でもほったらかしとか」
そうしたことはというのだ。
「論外よ」
「そうした親もいるわね」
「所謂育児放棄ね、自分は遊び回って家事は碌にしない」
「まさに毒親ね」
「そんな親にはなりたくなかったしね」
「ならない様にしているのね」
「そうした親に育てられた人も見てるし」
母はその目に嫌悪の色を込めて話した、そこに映っているのは自分がこれまで見た事柄の中で嫌なものに分類されるものだった。
「実の親だけでなく親戚の人に育ててもらって」
「親戚の人が親代わりね」
「それで実の親は嫌ってるわ」
「育児放棄されたから」
「自分は遊んでばかりでね」
「親として何もしなかったのね」
「子供に嫌われるなんてね」
母はさらに話した。
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