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あいつの女ということに強引にさせられて
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 冬休みになって、私は、又、毎日バイトに出るようになっていた。お正月も元旦から午前中仕事で、31日も、午前中で終了ということだった。

 穣一郎さんから、久々に連絡があって

「久々に ウチでお昼を一緒に過ごさないか?」と、私は、すこし、躊躇して

「だめなんです。家のお掃除もあるし、お買い物も行かなきゃなんないんです」

「いゃー 残念だなぁー 久々に君のご飯 食べられると思ったのに―」

「あのー 私 穣一郎さんのこと 嫌いじゃあないんです。でも、もう あんなこと 目の前で裸になったり 恥ずかしいんです 後ろめたい気持ちもあるから嫌」

「そうかー でも、僕の女には変りないんだろー」

「うん でも・・ 他の女の人と仲良くしてるのを見るのって、嫌 我儘ですかー」と、いきなり、電話を切っていた。

 次の日から、私は、まともにあの人の顔も見れなかった。だけど、めいりさんは相変わらず、ベタベタと。31日も、仕事終わりになって

「社長さん どこか大きいスーパーにお買い物に連れてってもらえません」と、おおっぴらに言って居るのが聞こえて来た。私は、チラっと見たんだけど、知らんぷりして、帰ってきてしまった。掃除とか買い物があるなんて、ウソだった。別に、お正月だからって、特別なことは無かった。元旦だって、お雑煮とお母さんが買ってくるスーパーの売れ残りの安っぽいおせちの詰め合わせ。

 私は、家に着いても、ぼーっとしていた。別に狭い部屋だし、掃除なんかも普段しているから、特別に―という感じだった。やっぱり、親しい友達も居ないし、孤独だった。進学する連中は、申し合わせて、合格祈願にお詣りに行こうとか、言って居たけど。

 私は、ぼんやりと、タンスを開けて、明日は、これを着ていこうと、穣一郎さん買ってもらった下着を手にしていた。 
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