第九幕その九
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「噛まずにね」
「喉ごしを味わいますね」
「その方が美味しく食べられますね」
「喉ごしを味わうのも食べ方ですし」
「その方がいいですね」
「だからですね」
「そう言うことだね、僕もわかったよ」
こう言うのでした。
「本当にね」
「うん、まあ僕も今は噛んでるけれどね」
王子は笑ってこうも言いました。
「お蕎麦もね」
「そうですよね」
「そう食べても美味しいですから」
「このお蕎麦おつゆ辛くないですからね」
「普通の辛さですから」
「そうも出来ますね」
「それでは食べていこうね」
お蕎麦をです、こうお話してでした。
皆でお寿司やお蕎麦を食べていきます、そうしてその後でまた旅に出ます、すると今度は目の前に川がありますが。
橋がかけられています、見ればその橋は。
「お水で出来てるわね」
「そうだね」
王子は王女の言葉に頷きました。
「この橋は」
「水で出来た橋っていうのもね」
「面白いね」
「オズの国なら」
それならというのです。
「こうした橋もね」
「普通にあるね」
「そうね、ただ」
こうもです、王女は言いました。
「この橋は渡れるかしら」
「そう思うね」
「お水で出来た橋だから」
見れば透明できらきら輝いています、お水の流れがそのまま止まって橋の形になって川に架けられています。
その橋を見てです、王女は言うのでした。
「渡れるかしら」
「そうも思うね」
「そうね、けれど」
「オズの国にあるのなら」
「渡れるよ」
「その通りね、じゃあ渡りましょう」
「そうしよう」
こうお話しました。
そうして一緒に橋に足を踏み入れました、そうして。
橋の上を渡ってもでした。
「渡れるわね」
「鉄の橋に負けない頑丈さだね」
「そうね」
王女は王子に応えました。
「この硬さは」
「そう、鉄に負けない位のね」
「お水も水圧ってあって」
「水圧はかなりのものね」
「それでその水圧がね」
「橋を頑丈な者にさせているのね」
「そういうことだね、ではね」
王子は王女に橋を渡りつつ言いました。
「この橋を渡っていこう」
「鉄の橋に負けない位頑丈な橋をね」
「こうした橋があるのもオズの国ですね」
ジョージはしみじみとして言いました。
「外の世界にはない魔法を使ったものがあることが」
「そうだね、オズの国なら」
王子はジョージにも応えました。
「こうした橋もあるね」
「そうですね」
「ではね」
「この橋を渡って」
「そしてね」
それでというのです。
「先に行こうね」
「それじゃあ」
「しかし下がよく見えるよ」
ここでこうも言った王子でした。
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