ハーケン会戦〜激突の時〜
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〜ハーケン平原〜
「げ、”幻想の小窓”……!どうしてセシリア将軍が魔女の眷属の魔法を……!?」
「ロゼの話だと、メンフィルの連中は郷にあった書物を全て複写して”本国”に持ち帰ったって話だから、大方その複写した書物――――――魔導書の中にあった”幻想の小窓”を習得したって所でしょうね。」
「そんなことよりも、もう戦闘開始寸前の状況じゃない!?」
セシリアが魔女の眷属の一族しか扱えないはずの魔法を使った事にエマは信じられない表情で声を上げ、セリーヌは目を細めて推測を口にし、サラは映像に映っている状況を見て焦りの表情で声を上げた。するとその時映像ではリィンがヴァンダイク元帥に降伏を呼びかけていた。
「リィン……!」
「さすがのリィン君も学院長は父上の時のように問答無用で殺したくなかったようだね……」「
リィンの降伏の呼びかけを見ていたアリサとアンゼリカはそれぞれ安堵の表情を浮かべたが、その安心を裏切るかのようにヴァンダイク元帥はリィンの降伏の呼びかけを断った。
「そ、そんな!?どうして学院長は”学院長達の作戦が絶対に失敗するとわかっていて”、降伏の呼びかけを断るんだ!?」
「まさかヴァンダイク元帥は……」
ヴァンダイク元帥がリィンの降伏の呼びかけを断った事にマキアスは信じられない表情で声を上げ、ヴァンダイク元帥の考えを悟ったアルゼイド子爵は複雑そうな表情を浮かべた。
ギリアスによる謀――――――”焦土作戦”も儂は作戦実行前に知っておきながら、それが”内戦が終結したばかりの疲弊したエレボニアを護るため”と自分に言い聞かせて阻止せず、”アルスター襲撃”も”第二のハーメル”である事にも気づいていながら、目を逸らした。そんな儂もギリアスと”同罪”じゃから、公女殿の指摘に対して反論するつもりはない。――――――だからこそ、儂はこの戦争でエレボニアを勝利に導く事を貫き通さなけばならないのじゃ。戦争に勝つ為に自らの手で国民達を傷つけ、苦しめてしまった以上、その責任を取る為にも”どんな絶望的な状況に陥ろうとも国民よりも国を優先してギリアスの謀から目を逸らし、従い続けた儂には諦める資格は許されないのじゃ。”
「が、学院長………」
「学院長は”焦土作戦”もそうですが、”アルスター襲撃”の件に対して私達が思っていた以上に強い責任や罪悪感を感じられていたのですね……」
映像に映るヴァンダイク元帥の言葉を聞いたロジーヌは悲痛そうな表情を浮かべ、トマスは複雑そうな表情で呟いた。そして場面は進み、オーレリア将軍達とギュランドロス達がリィン達の援軍として現れる場面になった。
「オーレリア将軍……!」
「それにギュランドロスさんまで……」
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