Lv68 破邪の刻印
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アヴェル王子。
2人は初めての体験ができるので少し興奮気味であった。
そして、俺はそんな2人の期待に答えるべく、道具袋から瞬間移動の定番道具を取り出したのである。
「ええ、そうしますかね。このキメラの翼で帰るとしましょうか」――
[U]
日の明るい内にキメラの翼で王都へと帰還した俺とアヴェル王子とウォーレンさんは、エドガー様達をサムエル様がいるイシュマリアの別邸に送り届けた後、任務の報告をする為、イシュマリア城のヴァリアス将軍がいる部屋へと向かった。
俺達が扉を開けると、室内には椅子に腰かけるヴァロムさんとヴァリアス将軍、それとディオン様がいた。
3人は、何かを話していたようである。恐らく、今後のイシュマリアについて話をしていたのだろう。
まぁそれはさておき、俺達は3人の前で任務完了の報告をした。
報告したのはアヴェル王子とウォーレンさんである。俺は場をわきまえて沈黙に徹した。
一通り報告が終わったところでヴァリアス将軍が口を開いた。
「そうか、ご苦労であった。エドガー様達が全員無事なら、サムエル様もさぞやホッとしているところであろう。しかし……魔物達は色々と暗躍してたのだな。ミュトラの結界を緩めて魔物をこちらに召還し、それを教団の船でラルゴの谷に送っていたとはな。コータロー殿が気付いたのか?」
「はい。コータロー殿が魚介類の取引に変動がないのに気付いたので、そこを調べたらこういう事態になっておりました。ちなみに、アウルガム湖の異変で魚は消えたのではなく、イスタドへと移動してしまったようです。ラー殿は昨日、リュビストの結界が緩んだことで、魔の世界の瘴気があの島から漂いだしたのが原因だろうと言っておりましたが……」と、ウォーレンさん。
「なるほどな。そして……それを誤魔化す為に教団は船で魚を秘密裏に漁師組合に卸していたわけか。色々と考えるモノだ。ところで、今言ったヴィゴールという者だが、どうなっているのだ?」
「それなのですが、今はとりあえず、アヴェル王子の指示でイシュマリア城の地下牢に入れてあります。さすがにあれだけ喚くと目立ちますので」と、ウォーレンさんが答えた。
「城内に魔物を入れた事になるが……そういう事情ならば仕方あるまい。今は地下牢に誰もいない。とりあえずは、それでいいだろう。その者については後で考えるとしよう……」
ヴァリアス将軍はそこで言葉を切ると、ヴァロムさんに視線を向けた。
「ヴァロム様、先程の話ですが、もう話してもよろしいので?」
「うむ。構わぬぞ」
「わかりました」
ヴァリアス将軍は俺達に向き直る。
「アヴェル王子……実は頼みがあるのです」
「頼み? 何ですか?」
「実はですね……九編あるミュトラの書の回収をアヴェル王子とコータロー殿、それとウォーレ
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