Lv68 破邪の刻印
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が解けたのか、床に手を着き、四つん這いになったのである。
ヴィゴールは肩で息をしていた。
そして俺を睨みつけ、悪態を吐いたのであった。
【ハァハァ……クソ! オノレェぇ、コータロー! グアァァァァ】
だがヴィゴールは悪態を吐いた瞬間、両手で頭を覆い苦しみだしたのであった。
ヴィゴールは床を転げ回りながら、もがき苦しんでいた。
その様はまさに、七転八倒という表現がピッタリの姿である。
【グアァァ、頭が割れるように痛い! な、なんだこれはァァァ。ウガァァァ!】
ウォーレンさんは顎に手を当て興味深そうに見ながら、ぼそりと呟いた。
「なるほど……これが、あのお方の言っていた刻印の力か。どうやら、邪悪な心が満ちているコイツには効果覿面だったみたいだな」
「た、確かに、効果覿面のようだ……怖いくらいに」
アヴェル王子は口元をヒクつかせ、若干引いていた。
たぶん、奴の痛がり方が半端ないからだろう。
「そのようですね。なんか気の毒になってきました」
俺は思わずそう言った。これは本心である。
悪い事を考える限りこれが続くと考えると、背筋に寒いモノが走るからだ。
(これはキツイな……悪い事を考えない奴なんてこの世には存在しない。ちょっと良からぬ事を考えただけで頭痛が起きるならば、ある意味地獄やわ……こわっ。その昔、破邪の刻印を行使する者達は呪いを解いた後、刻印を消していたとラーのオッサンは言ってたが、理由はコレなんだろう)
ヴィゴールは転げながら俺に視線を向けた。
【わ、我に一体何をしたァァ! グアァァ! 頭が痛いィィィ】
俺は少し哀れに思いながら、奴に答えた。
「ごめんなヴィゴール、然るお方から悪しき心を持つ者に効果がある魔法を教えてもらってさ、それを施したんだよ。だからそうなってるんだと思う」
【なんだってェェ! 貴様ぁぁ! グアァァァァァ、イタァァァイ】
ヴィゴールはまた頭を抱え込む。
俺は話を続けた。
「ヴィゴール、その痛みから解放されたいなら、あまり悪い事は考えんことだ。考えを改めれば痛みは消え去る筈だから」
【なんだとぉ、ふざけ……ギャァァァ】
ヴィゴールはまたもがき苦しむ。
なかなか考えを改めるのは難しいみたいである。まぁ当たり前か。
これから先、俺が刻印を解かん限り、これが続く事を考えるとかなり悲惨である。
ウォーレンさんが俺の肩にポンと手を置いた。
「さて……それじゃあ、エドガー様達は救出できたし、王都に帰るとするか。お前が持っているというアレでな。実はそれを楽しみにしてたんだよ。古代の文献でしか見た事がないんでな」
ウォーレンさんはそう言って微笑んだ。
「実は俺も楽しみにしてたんだよ。まだ体験した事がないんでね」と、
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