Lv68 破邪の刻印
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魔法陣の呪縛から解放されたように見えますし。今この魔法陣は、行使者と思われるヴィゴールにしか影響がないとみていいじゃないですかね」
「まぁ確かにそうだが……」
ウォーレンさんはそう言って少し困った表情をした。
この魔法陣の性質を考えれば、慎重になるのも無理はないところだ。
俺が言ってることも確証はないし。
アヴェル王子はそんなウォーレンさんの肩にポンと手を置いた。
「ウォーレン、ここはあのお方を信じよう。では我々はエドガー様達の救助に向かうとします。我々が無事でしたら、コータローさんも中に入ってヴィゴールの対処をお願いしますね。行こうか、ウォーレン」
「ええ」
アヴェル王子とウォーレンさん、そして他の魔導騎士達は魔法陣の中へと入ってゆく。
中に入っても王子達は普通に動けていた。やはり大丈夫のようだ。
アヴェル王子は俺に振り返り、笑みを浮かべると無言で頷いた。俺も頷き返す。
そして、俺も魔法陣の中へと入ったのである。
アヴェル王子達は早速、床に倒れ込むエドガー様達の介抱へと取り掛かった。
そんなアヴェル王子達を横目に、俺はヴィゴールの前へ行き、ラーのオッサンに教えてもらった破邪の刻印という秘法に取り掛かるのであった。
破邪の刻印……これはラーのオッサン曰く、邪霊に取り憑かれた者を救う古の秘法らしい。まぁ要するに、呪いを解く魔法の一種のようだ。
で、なぜこれを行使するのかというと、グアル・カーマの法に対抗する手段として、ラーのオッサンがこれを提案してきたからである。
言っている本人も上手くいくかどうかわからんが、やってみる価値はあるといっていた。
なんでも、この破邪の刻印を身体に刻まれた者は邪霊を追い出す以外にも、悪しき心があればあるほど厳しい戒めが身体に現れるようなのだ。
つまり、邪心を持つ者に罰を与える魔法でもあるらしい。
遥か昔は、この刻印を用いて人々の呪いを解く者達がいたそうだが、結構強力な秘法なので、呪いを解いた後は刻印を消していたそうである。たぶん、副作用が凄いのだろう。
まぁそれはさておき、俺は刻印を描く為のインクとペン、それと刻印を描いた見本の紙をそこで取り出した。
ちなみにこのインクは、毒消し草と濾過した綺麗な水、それから俺の血を少量混ぜて作られている。
なもんで、ちょいと痛い思いをしないといけないレシピのインクであった。
ラーのオッサン曰く、行使者の血液は必須との事だ。
(さて……それじゃあ始めるか。これを使って対象者の額に刻印を描くんだったな……面倒だけど、やるしかないか)
ラーのオッサンから教えてもらった刻印の下書きを見ながら、俺はヴィゴールの額にインクを付けたペン先を向けた。
刻印は幾つもあるので少々骨の折れる作業であった。
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