Lv68 破邪の刻印
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
にいるので影響はない。今やってるのは魔法陣の魔力供給源の乗っ取りであり、これを行使した者にその力が跳ね返っている状況だからだ。本当はまとめて捕縛したかったが、ヴィゴールの行動を封じる事が先なので、致し方ないところである。
まぁそれはさておき、俺はそんなヴィゴールに近づき、穏やかに話しかけた。
「ヴィゴール……お前の魔法陣は乗っ取らせてもらったぞ。残念だったな。お前の言う通り、この地域はリュビストの結界から離れてはいる。だが、ここは一応、リュビストの結界内だ。リュビストの加護を受けた魔導器を用いれば、こういう事も出来るんだよ。迂闊に行動したお前の負けだな」
【ヴギギギギッ……】
ヴィゴールは何かを言いたそうだったが、言葉にはできなかった。
俺は奴を無視して話を続ける。
「それと……その様子を見る限り、やはり、この魔法陣の結界を施したのはお前自身のようだな。今のお前の状態は、リュビストの力に押されて、魔法陣を行使した術者へと魔力が逆流した事によるものらしいよ。俺の協力者が昨日そんな事を言ってたからな。ま、そういうわけだ。観念するんだな」
ラーのオッサンの話を要約すると、人を呪わば穴二つといったところか。
何事も完全というのは無いものである。
と、その時であった。
【不味い……ヴィゴール様が奴等に捕まってしまった! に、逃げるぞ】
【ヒィイ】
【逃げろォ!】
ヴィゴールの号令と共に現れた数名の神官達は、この場から一目散に逃げだしたのである。
その逃げ足たるや、脱兎の如くであった。
神官達は奥にある通路へとあっという間に消えていった。
俺達はその様子をただポカンと眺めているだけであったが、肝心の黒幕は目の前にいるから問題はない。
(なんつー逃げ足の速さ……もしかしてアイツ等、メタルスライムかなにかじゃないだろうな)
アヴェル王子はそこで俺に視線を向けた。
「あの魔物達は逃げてしまいましたが、どうしましょう? 追いかけますか?」
「いや、放っておきましょう。昨日見せて頂いた神殿の見取り図には幾つか外部に通じる通路がございましたので、このまま追いかけても、多分取り逃がす確率の方が高いです。それよりも、まずはコイツの対処とエドガー様達の救出を優先しないといけませんね」
「確かに、まずはそれですね」
「ところで、魔法陣の中に我々はもう入っても大丈夫なのか? 一応、あのお方の話じゃ、大地の魔力が源になってるから、そこの流れを乗っ取れば術者に跳ね返るとはいってたが……」と、ウォーレンさん。
ウォーレンさんは昨日あったラーのオッサンの話を聞いて、眉唾に思っていたのだろう。
俺も多少はそう思っていたので、わかるところではある。
「恐らく、大丈夫だと思います。さっきの感じだと、エドガー様達は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ