第10話 魔女狩りを狩る者
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っている。
この酒場に入ってから感じていた、ただ美人を見る目や、男の欲望丸出しの視線など様々な視線が集まっている。
「いいじゃねえかよ、ちょっとくらい」
しつこい男Aが私に手を伸ばしてくる。
いい加減辟易していた私はその手を払い除け、冷めた声で告げる。
「しつこい男はモテないわよ?出直してきなさい」
「テメェ!下手にでてりゃいい気になりやがって!」
どこが下手だったのか疑問が満載の男は、顔を真っ赤にしながらわめき散らす。
・・・むさ苦しい酔った男の罵声を大音量で聞くって・・・なんて罰ゲーム?どうせ聞くなら女の子の嬌声の方が・・・
そんな現実逃避をしていると・・・
「そんならこっちの無口な女にしようぜ」
黙っていたもう1人の男Bが、エヴァに手を伸ばした。
うん、無理。穏便とかもう無理。私の低い沸点が臨界点超えたもの。
すっと立ち上がるとエヴァに延ばされた手を掴み、引っ張りこちらを向かせる。
「ん?・グヘッ」
何事かと呆けていた下衆Bの顔面に、フルスイングの右ストレート。
左手は下衆Bがエヴァに伸ばした右手を掴んでいるので、Bは吹き飛びもせず反動でこちらに向かう。
今度はその腹部に右のひざ蹴りを叩きこむ。
「グエェ!」
衝撃で宙に浮きかけたBの腕を再度引っ張り、背中を向かせるとそのまま蹴りつける。
ドッカーン!
壁側の席を取ったのが幸いし、下衆Bはそのまま壁とキス・・・の予定が突き抜けたけどまぁ結果オーライ。
「テッ、テメェ!このクソアマ!」
ようやく頭が再起動したのか下衆Aがわめく。
でも正直まともに相手をするつもりが無い私は、ホットパンツからスラリと伸びた脚を、ぶんっと振り上げる。
ブーツのつま先は狙いを外さず、男の脚の間の付け根へ。
「ガッ!(ピクピクピク)」
なにがぐにゃりとした感触がしたけど気にしない。酒場の空気が凍った気がしたけど気にしない。
まぁ、男にしたら痛いらしい。女の私にはわからないけど。
膝をつき痙攣を始めた下衆Aを尻目に、私はその場でジャンプ。
くるりと空中で一回転をしながら、遠心力を乗せた右足踵をAの後頭部へ。
ドッカーン!バキッメキッ!
床にキス・・・というより頭をめり込ませた下衆の出来あがり。
「ふうっ、こんなものかしら(パンパン)」
なんとなく手を叩きながら、一息。視線を酒場に流すと、皆自然にそらした。
私は下衆2人のポケットを探ると財布を取り出し、カウンターヘ向かいそれを差し出す。
「これは?」
初老の酒場のマスターが訝しげに尋ねてくる。
「床と壁の修理代よ。あとは迷惑料。お客さんも驚かせちゃったから1杯
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