第10話 魔女狩りを狩る者
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「・・・俺が知ってるのはそれぐらいだ」
「そう・・・ありがとう」
私は応対してくれたマスターにそう告げると、白ワインのボトル1本とワイングラスを2つ受け取り、わざとワイン2本分の代金を置いて、恋人の待つテーブルに向かう。
皆さんごきげんよう、シルヴィアよ。
エヴァの故郷から出発した私達は今、ヨーロッパ東部にある村の酒場に居るの。
時刻は日も沈んでしばらく経つ夜。
宿屋で夕食を終えた後、目的があった私はエヴァを誘い村に一軒だけあるこの酒場に来た。
普段男しか居ない酒場に現れた美女2人に、様々な視線が向けられる。
そんなのはどこ吹く風とさっさと席を取り、私がお酒を買いにカウンターへ行ったというわけ。
目的の情報を得られた私は、エヴァの向かいのイスにマントを掛けて座るとボトルを空ける。
「ずいぶん話し込んでいたな?」
目の前の美女、エヴァがそう問いかけながらグラスを向ける。
「えぇ・・・少し知識の確認をね」
エヴァのグラスに注ぐと、今度は自分のグラスを取る。
今度はエヴァが注いでくれて、無言でカチンとグラスを合わすと一口。
うん、なかなかおいしい。
元々お酒には詳しくなかったけれど、旅をしていれば飲む機会くらいはある。
エヴァも幼い頃から飲んでいたし。ヨーロッパらしい面だ。
渋みの強い赤ワインよりは、2人とも白ワインが好き。
味音痴な私基準でおいしいのに当たると得した気分になる。
もちろん、熟成年数その他の難しい事は分からない。
寝かせたら寝かせた分だけおいしくなる?らしいとしか知らない。
「それで?」
一息に飲み干し自分で新たに注ぎながら、知識と言う単語に気を引き締めエヴァが訪ねてくる。
彼女には私の前世の事も話してあるから当然と言えば当然の反応。
私が口を開こうとしたその時・・・そいつらは来た。
「へへへ、姉ちゃんたち。どうせなら俺たちと飲もうや」
そう言いながら私達のテーブルに近寄って来たのは、酔った2人組の男。
一応気と魔力を使い探るもただの一般人。完全な『あちら側』・旧世界の住人だ。
魔に生きる私達に話しかけるとは、運が無いなぁと内心呆れる。
まぁ酔って気が大きくなっているところに、どう客観的に見ても極上の旅人美女2人が居れば、わからなくはないけど。
「ふふっ、ごめんなさい。これから女同士の大事な内緒話があるの。またの機会にしてもらえるかしら?」
特別サービスで笑みを浮かべながらやんわり断る。
ちなみにエヴァは我関せずと、ちびちびワインを飲んでいる。
・・・そりゃ男2人とも私の方向いているからいいけどさ。
ふと探ると、酒場中の人間がこっちの様子を伺
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