第二十四話 あえて聞いたその二
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「問題よ」
「そうなるのね、けれどね」
「あれでしょ、そうした漫画の中に」
「姉と弟ってあるのよ」
そうしたシチュエーションの作品がというのだ。
「雑誌の中にね」
「それ言ったらお母さんもよ」
「お母さんもって?」
「そうした雑誌の中に一作は絶対に人妻ものあるでしょ」
「ああ、そういえば」
かな恵も言われて気付いた。
「あるわね」
「母親もね」
「あるわね」
「けれどあの子がお母さんにそれでお母さんがね」
「明男に」
「する筈ないでしょ」
「ないわね」
絶対にとだ、かな恵も答えた。
「流石に」
「そうでしょ、それでかな恵も明男にはでしょ」
「弟よ」
かな恵ははっきりと答えた。
「そうした感情なんてね」
「持たないわね」
「子供の頃から見て来て」
そうしてというのだ。
「おしっこやうんちするのも知ってるし」
「そうよね」
「裸も見たのに」
「子供の頃にね」
「そうしてずっと一緒にいたのに」
「家族だからね」
「そう、だからね」
そうした理由でというのだ。
「全くよ」
「思わないわね」
「どうして思うのよ」
母に逆に聞き返した。
「明男に」
「それはお母さんもよ」
母はかな恵の言葉をここまで聞いて述べた。
「それはね」
「お母さんもなのね」
「そうよ、何で明男をそうした風に見るのよ」
「ないのね」
「有り得ないわ」
それこそという口調での返事だった。
「絶対にね」
「そうなのね」
「だからそうした漫画読んでもね」
「明男にどうか思うとか」
「ないわよ」
絶対にと言うのだった、再び。
「というかあんたがよ」
「気にし過ぎ?」
「そうよ、というかあんた漫画雑誌買って全部の作品が好きじゃないでしょ」
「好きな作品とそうでない作品があるわ」
かな恵はまたあっさりとした口調で答えた。
「ドロドロ系は好きじゃないから」
「恋愛でもよね」
「お昼のドラマみたいなね」
そうした風なというのだ、何故かこの時間帯のドラマは恋愛でも人間の悪い面が描かれそうなっているものが見受けられる。
「そうしたのはね」
「お母さんもよ、お母さんホラーは駄目よ」
「苦手なの」
「子供の頃からね」
「そうなのね」
「それでそうした雑誌でもよ」
「好きな作品とそうでない作品があるのね」
「作家さんの好き嫌いもあるじゃない」
創作者の問題もあるというのだ。
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