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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第113話:似て非なる枝分かれした技術
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「んで、ウィズ? 実際のところどうなの?」
「何がだ?」
「あのエルフナインちゃんの事。ホムンクルスって?」
全員の疑問を代表して颯人がウィズに問い掛けると、ウィズは仕方が無いとでも言いたげに溜め息を吐き口を開いた。
「お前達も何かで聞いた事はあるだろう。ホムンクルスとは人造人間の事だ」
「あの子がそうだって?」
「あぁ。外見上はまるで人間と変わりないが、連中に性別は存在しない。生物としてはそこが決定的な欠陥だな」
魔法使いとしてS.O.N.G.内での存在を盤石にしているウィズが断言するのであればそうなのだろう。
「ではウィズ。単刀直入に聞くが錬金術とは何なのだ? 魔法とは違うのか?」
「似て非なるもの、と言っておこう。それが一番正確だ」
「より正確に言えば、魔法は錬金術から派生した技術です。錬金術は術の行使に生命力を基本的な対価として必要とするのに対し、魔法はご存じの通り発現させた体内の魔力を消費して使用します」
ウィズの説明にアルドが補足を付け加えた。
そう言えば、奏達と戦った奴はアルカノイズを召喚する時や撤退する時に結晶を砕いたりしていた。あれが魔法使いで言うところの指輪に相当する物なのだろう。見たところ錬金術は術の行使に際して魔力だけでなく触媒も消耗品として必要とするらしい。そこら辺は魔法使いが一歩進んでいるが、その一方で技術の広さは錬金術の方に分がありそうな感じだ。何しろ魔法には生命の創造するものは存在しない。唯一ホープの魔法はそれに近いかもしれないが、あれに使われている魔法石は非常に希少らしくあれ以来アルドがその指輪を作ったと言う話は聞かなかった。
とりあえず錬金術と魔法の違いは何となく分かった。その上で、颯人にはまだウィズに訊ねたい事がある。ビーストと言う魔法使いに関してだ。ウィズはあの魔法使いの事をアーキタイプと呼んでいた。あれは一体何なのか?
「それじゃあウィズ、あのビーストって魔法使いは何なんだ?」
「ビースト……颯人君が戦ったという敵魔法使いだな」
「ペテン師が負けたって?」
「そこ触れないでお願いだから」
明確な黒星となる戦いにはあまり触れてほしくない颯人だったが、ビーストの存在を無視する訳にはいかないので話題に出さざるを得ない。だが話題に出すと必然的に颯人の黒星もくっついてきてしまう。颯人にとって、なかなかに悩ましい問題だった。
「あれはちょうど魔法が錬金術から別れる頃に作られた物だ。あのアーキタイプの存在が現在の魔法使いの始祖になったと言っても過言ではない」
その昔、錬金術を行使する際により強力な術を用いようと試行錯誤された結果生み出されたのが、件のアーキタイプことビーストドライバーだった。
人間の生命力を消費して使用される錬金術
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