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あいつの女ということに強引にさせられて
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 お母さんが、泊まりで出掛けるから、お留守番お願いねと言って居た。

「職場のお付き合いなのよー 面倒だけどしょうがないのよ」と、言いながらも、浮かれているみたい。

 私は、お母さんはあんなふうに言って居るけど、スーパーに勤めているんだから、そんな職場で旅行なんてあるわけがないと、多分、職場のお付き合いって言ったって男の人となんだと、思っていた。それに、なんだか不倫の感じがする。

 お母さんもまだ若いんだから、別に男の人と遊ぶのは構わないんだけど、もっと、私達の身の回りのものとか学用品なんかのことに注意をして見てからにして頂戴と、私は、お母さんのことが嫌いになっていた。

 出掛けると言う日の朝、私は学校に行く前、お母さんの部屋に、マスタード色のAラインのワンピースが下げてあって、その横にバイオレット色のスリップも・・。バッグに派手な色のレースの下着なんかも詰めていた。私は、玄関のドァを開けて、あの時の母の肢体を思い出して、あんな下着で男の人と・・と、心の中では軽蔑していたのかもしれなかつた。

 だけど、私もあの人の娘だから、同じように喜んでもらおうと派手な下着をつけて、男の人に抱き着いて行くのかしら・・現に、穣一郎さんの前に立たされて、喜ぶだろうと下着姿を見せているし、なんにも着ていない姿も・・という少し歪んだ関係に対して、自分を責めていた。

 次の日の夜になって、お母さんが帰ってきたけど、ヘャースプレーなんだかコロンなんだかの匂いをぷんぷんさせて、お酒も飲んでいるみたいだった。

「久し振りに飲んじゃった」とか、言い訳しながら、お土産と言って、瓶入りの佃煮とかつまんないお菓子を出して、そして、そんなの着ているってこと忘れているのか派手な下着姿のまま、お風呂にさっさと向かっていった。いちごは、うたた寝していたのか、起きてきて、そのお菓子を食べていたけど、ポツンと「お母さんって きれいな下着つけているんだね」と、私は何にも言わなかったけど、訳のわからない怒りと寂しさがこみあげてきていた。
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