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冥王来訪
第三部 1979年
孤独な戦い
月面降下作戦 その2
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た。
閣議とはいえ、彼が口を開けば、それは絶対なものだった。
 すると、外相が、初めて口を切った。
「同志議長。今はその時ではありますまい。
もし、秘密作戦が露見すれば、我が国は信用をさらに失い、国際社会より捨てられます」
 つづけざまに異論が沸きそうに見えたので、第二書記は、激色をあらわにした。
「国際社会が何だ。
ソ連自活の為に、いちいち外国の顔色など伺っていられるか」
外相は、またいった。
「報復として、米国が経済封鎖をすれば、国民は飢えさせられ、党を怨みましょう」
「おのれ、まだいうかっ。貴様を反党行為の疑いありとして、検察に告発してやる!」
 第二書記は言い捨てると、即座に車の用意を命じて、党本部を後にしようとした。
すると、その途上を、二人の男が追いかけてきて、目の前に立ちふさがった。
見れば、国防相と、戦略ロケット軍司令を兼務する国防次官であった。
「なんだ、貴様ら、道をさえぎって!」
「無礼は、承知の上で申上げます」
「覚悟のまえだと。何を提案しようというのか」
「秘策を用いて、木原の考えを読もうかと……」
 国防相は、云々(しかじか)と、策を語った。
その言葉を聞いた第二書記は、何やら分かった様子で複雑な笑みを浮かべた。
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