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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
勇士-れじすたんす-
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とゾッとした。
連帯責任だなんだと言われ、山本にはとんでもないことをされるだろう。
それだけじゃない。
書類や写真にあったように、武蔵は強姦され、代表の玩具に加わり、飽きられれば部下達に渡され、そしてそこでも捨てられればあれらと同じくゾンビ兵となる。
そんなの、ごめんだ。

「しばらく…このままでいさせて。」
「…ああ。」

壁によりかかり、そのまま時間が過ぎていくのを待つ。
武蔵の暖かさ。それが、生きているという実感をくれた。

彼女にこんな思いは、もう二度とさせたくない。
しかし、それと同時に俺は武蔵の背中を守りたいと思っている。

戦いに出れば、また重症を負うような出来事はいくつもあるだろう。
だが、そんな事くらいでへばってはいられない。

もっと強くならなければ。

それが、俺の中にあるただ一つの答えだった。



?

時は遡り、
レジスタンス跡地での戦いから数時間後のこと。


「うわー、これはひどい…。」

戦いの跡地。
山本の爆発により廃ビルが立ち並んでいたそこは中心に大きなクレーターのある、ただの荒野と化していた。

山本は爆発した。
もう何もないとは思うが、念の為と葛城財団の研究員達はデータ収集のため戻ってきていた。

「丹下さん。やっぱり何も残ってませんよ…。」
「そうですねぇ…何かデータが取れればいいものと思…」

ヘリコプターから跡地を見渡せど、本当に何も残っていない。
山本にスパルタクスの霊基を入れてみたのは良かったものの、まさかこんなことに繋がるとは思ってもいなかった。

「…おや?」

ここで、丹下の動きが止まる。
窓に張り付かんばかりに顔を近づけ、一箇所を見つめている。

「どうしたんですか丹下さ…って、あ、あれは!?」
「えぇ、人です。人がいます。」

言っておくが、ここは先日起きた大爆発により生存者はいない。
そして、木々や動物などの生命体もまだいない。
だが、そこに人がいたのだ。

クレーターのど真ん中に、手足が無く、骨と皮だけの老人がうつ伏せで倒れていたのだ。

「なんだあれ!?」

部下の1人が思わず驚きの声を上げる。
着陸し、そばに駆け寄ると老人はありえない事に生きていた。

「丹下さん!!こいつ生きてます!!」
「驚きですねぇ…。ご老人がダルマ状態でこのような環境で生きられるなど。」

彼らの気配を察知し、その場でもぞもぞともがく老人。
部下2人が駆け寄って仰向けにさせると、必死に口をぱくぱくとさせていた。

が、耳を済ませてよく聞くと

「り……うは…こだ……ど…は…。」

何か言っている。
小声だが、目を見開き、口を大きく開け力を込めて何か言っている。


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