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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
勇士-れじすたんす-
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とき柏原が口を開く。

「どうした?」
「例の箱についてお話した方がよいかと。」

ああそうだったなと言い、賢狼は何かを持ってくる。
それは、あの時砂浜で俺達が見つけたもの。
葛城財団と記された例の箱だ。

「武蔵殿の許可を得て開封させてもらった。これが中々頑丈でな、手伝ってもらったガウェイン卿も少し苦戦していたよ。」

彼女の言うとおり、その箱は上部が開いている
そうだ。あれを手に入れてから何かと忙しく、開ける暇もなかった。
中に何が入っているかも分からないし、迂闊に斬ってあけたりしたらどうなるか分からなかったのでそのまま持っていたんだ。
で、気になるのはその中身だ。

「中には何が入っていたんだ?」
「フ…時として竜胆大和。少し問題を出そうか。」
「…?」

俺は中身が知りたいのだが。
そう思っていると、横から柏原が「付き合ってあげてください」とそっと耳打ちした。

「キミは戦いにおいて、何が一番大事と思っている?」
「強さだ。」
「ほう。即答か。その迷いのなさもある意味一種の強さだろう。感銘を受けたよ。」

腕を組み、うんうんと頷く賢狼。
しかしメガネを押し上げると

「残念だが、それは正解ではない。」

そう言った。

「一騎当千の強さ。固く揺るがないチームワーク、そのどれもが正解であり不正解だ。なら武器か?何でも斬れる剣、どんなに遠くからでも必ず撃ち抜ける銃、それもまた違う。」

そうして長々と回りくどい説明をしたあと、彼女は箱に入っていたものを取り出し、机に広げて俺達に見せた。

「”情報”だ。」

中に入っていたのは大量の書類、写真の束。
『実験記録』や『機密事項』と書かれたディスク達。

「何故かは知らないが、キミ達が持ってきた箱には葛城財団に関する数々の重要なデータが入っていた。おそらく内部告発をしようと企んだ者がいたんだろうが…海に流れ着いていた辺りこれをまとめた人物はおそらく…いや、よそうか。」

書類を手に取り見てみる。
そこには財団にて行われているだろう非道な行いが事細かに記されていた。
写真もそうだ。
連行されるサーヴァント。マスターを撃ち殺す実働部隊。

そして…

「こいつが…!!」

裏側に『財団代表 葛城恋』とマジックで書かれている一枚の写真。
つまり、そこに写っているのが葛城財団のトップだ。

「かつらぎ…れん。と読むのか?」

脂ぎったボサボサの髪。
醜く肥え太った身体。
まるで人間の抱く嫌悪感そのものを合わせてできあがったような、清潔感の欠片も無いオトコ
こいつが…こんなやつが…人のサーヴァントを奪い尽くしているのか。

「ああ、おそらくな。ゾンビ兵が皆狂ったように”れんさま”と言っていただ
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