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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
勇士-れじすたんす-
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「…。」

何気なく目覚めると、そこは見たことの無い場所だった。
当たりを見渡すと、どうやらここは廃ビルだったようだ。
”ようだ”というのは周りは散乱しておらず、きちんと整理されていること。
ガラスの割られた窓には全てどこからか調達してきたであろう統一性のないカーテンが吊るされており、そよ風に揺られている。

腕に刺さっていた点滴を引き抜き、身体がどこも痛まないことを確認し、ベッドから起き上がった。

あの時、筋肉ダルマと化した山本にいいパンチをもらい、アバラと内臓いくつかがやられた気もするが、特にこれといった痛みや違和感はない。
その前に俺はゾンビ兵の自爆を至近距離で受け、満身創痍となった。
だがこのとおりピンピンしている。
体のどこを探しても傷跡らしい傷跡はない。
考えられることとしては、ここにいる凄腕の医者か医療系サーヴァントに治してもらったんだろうか、

それより、あれから何日経った?
俺はどれくらい寝ていた?武蔵はどこに行った?
ここが葛城財団の支部、ましてや本部でないことは確かだ。
じゃあここはどこだ?

「如何でしょうか?五日ぶりのお目覚めは。」
「!」

ドアの開く音がし、何者かがやってきた。
見た目は…おそらく中年ほどの年齢であろう男だ。
それに、待て。

「五日?」
「はい。貴方は五日ばかり眠っていたのです。」

五日だと…?
俺は…そんな長い時間眠っていたのか?


「ここはどこだ?」
「廃病院…いや、レジスタンス『セイバーオブセイヴァーズ』のアジトと言った方がよろしいでしょう。」
「セイバーオブセイバー?」

レジスタンス?
セイバーオブセイバー?
と、疑問が次から次へと浮かぶ最中、中年の男性は注意する。

「セイ”バー”ではなくセイ”ヴァー”です。私もここに来たばかりの頃、それで何度も賢狼殿に注意されましてね。」
「…賢狼?」
「そう、賢狼。このレジスタンスを率いるリーダー、もとい騎士団長です。」

そう言うと男は「では、早速挨拶をしに行きましょうか」と言い俺についてくるよう言った。
身体はなんの問題もないので、患者衣のまま彼について行く。

「…。」

ついて行きながら辺りを確認する。
廃病院を再利用しているということは本当らしく、他にも様々な病室があり、怪我人の保護だけでなく居住施設となっていたり、様々な用途で使われている。

窓の外に目をやると仲良く遊んでいる子供達。
…おそらく、あのレジスタンスの本拠地にも子供はいたはずだ。
しかし彼らはきっとゾンビ兵に…いや、もう過去のことを思うのはやめよう。
起きてしまったことはどうしたって救えない。
ただ冥福を祈るだけだ。

「ええ、私も写真で拝見させて頂きましたが悲
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