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少女は 見えない糸だけをたよりに
8-7

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 巧と会った時に、私は聞いてみた

「ねぇ 就活って始めているの?」

「うーん そろそろかなー でも 最終は 京都府庁になるかなー だけど、農政は採用ないかも知れない。いろいろと各地を回ってみてな それぞれ農業なりに取り組んでいるんだけど、影響力が弱すぎて、地域にまで至ってないんだよ 結局、ひとりの力なんてな そんなとこに飛び込んでいっても、僕なんか何にも出来やしない。だけど、最後に行った 沖縄の離れ島で、サンゴの海を守るために、地域の産業に取り組んでいる人が居た。素晴らしいと思ったんだ。そんなとこで、少しでも、働けたらな いろんなことを教えてもらえるから とも思っている」

「えー 沖縄? 遠いね 外国みたいなもんやんかー 私ね ようやく 京都のこいさんになろうと、お母さんからいろいろと教えてもらってるんやけどなーぁ あっ 違うねんで 巧の行くとこやったら、南極でもな 巧がええんやったら何処でも、付いて行くよ たから、好きなこととか、好きな場所に行ってくれて、ええんよ 私のことは、負担に思わないでね」

「ふふふー その水島さんって人も 奥さんがそんな調子で離れ島まで、追いかけてくれたんだって 幸せそうに語ってくれていた」

「そーなんだ 女は好きになった人には弱いからね まっしぐらなんだよ」

「それは 香波 自分のこと言って居るのか?」

「ううん 違うよ 私は 巧が全てなんだもの そんなのって 嫌?」

「むりやり 言わすなよー 世界中で香波を幸せにできるのは 僕だけだ いいかー これで」

「よーし 合格!」  
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