暁 〜小説投稿サイト〜
少女は 見えない糸だけをたよりに
8-5
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
向けたまま、水着に着替えて、海で遊んだ。そして、あの岩場とか、私の秘密基地の小さな砂場にも・・。

 そして、民宿に帰ってくると、おばさんが

「香波ちやん 急いで、二人でお風呂に入れーな 他のお客さんはまだじゃきー」

「おばさん 私達 まだ・・そんな・・」

「えー まだなんけー ウチなんざー 16で嫁にきたけんね もう強引だったよ」

 私達はお互いに顔を見合わせていた。躊躇していたに決まっている。私から

「私 いいよ 一緒でも・・ 巧となら」と、思い切って言っていた。

 私達は、結局一緒に入ったんだけど、何にもしゃべらないで、巧は私の身体を見ないようにしていたみたい。私は、眼に入ってしまった。巧の身体の全部。

 お風呂から出て、私達は揃いのTシャツに短パン。私は、夕食のものをお膳に並べて居たり、お手伝いをしていた。若い男の人のグループなんかからは「ここの娘さんかい 可愛いね」とか声を掛けられていたが「駐在所の娘です お手伝い」と、ふざけて返していた。

 巧は、外のベンチで巌さんと、お酒を飲んで楽しそうにしている。私は、心の中で、あんまり、飲み過ぎないでよと、今夜は私達、しないって言ってたんだけど、一応、二人で過ごす、初めての夜なんだよー。

 その夜、私達は、砂浜に歩いていた。私は、彼にすがるように腕を組んで・・。何組かが、浜に出て花火なんかもやっていたから、私の秘密基地へ。暗かったけど、私はつもりしていたので、ペンライトを用意していた。それに少しはと、覚悟していたのだ。そして、砂場に座って、私は彼の肩に頭を預けていた。

「遠くの島の灯りしか見えないね こうしてたのって、この前は朝だったね」

「そうだなー あの時は、香波は 海藻の香りしかしなかったよー ふっふっ」

「だっさー 海藻採ってきたとこだったんだもの だけど、私 あの時と違って 巧のこと知っているよ もう」と、巧の顔を見て、眼を閉じていった。

 そして、肩を抱き寄せられて、巧の唇を感じていた。私も、手を巧の背中にまわしていた。しばらく、そのままだった思う。その後、二人共、無言のまま民宿に戻って、なにも無かったかのように寝てしまった。私は、長めのTシャツに、特別に買ってきたショーツだけだったんだけど・・。私は、夜中に目が覚めて、寝ている巧の布団の中に移ったのだ。巧の背中にひっつくように・・。

 朝、巧が眼を覚ます前に起きて、おばさんの朝食の準備を手伝いにいった。私達も朝食を済ませた後、バクのお墓にお別れをして、民宿を後にする時、巌さんとおばさんが

「香波ちゃん 又 来てね こん男の人は香波ちゃんを追っかけてきたんじゃけー 離れたらいけんよー」

「ええ 離しません」と、巧が言ってくれた。私は、巧に腕を組んで
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ