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八条学園騒動記
第六百六十話 自由な社会の条件その四

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「しかしですね」
「他の国ではですね」
「悪ではないですね」
「決して」
「それで秩序が守られているので」
「善悪は常に変わるものです」
 セーラはこうも言った。
「時代と場所によって」
「そして教えによっても」
「そうなりますね」
「そうです、ヒンズー教ではです」 
 セーラも信仰してその中に生きている宗教ではというのだ、マウリアでは人口の八十七パーセント以上がヒンズー教徒であり彼女もその中にいるのだ。
「カースト制度はです」
「正しいものです」
「秩序と生活を守る」
「そうしたものであり」
「法律でも定められています」
「家の代々の仕事が保証されます」
 そのカースト制によってというのだ。
「そして生きていけます」
「誰もがです」
「その秩序の中で」
「そうして生きられます」
「乱れることなく」
「そう出来るので」  
 だからだというのだ。
「よいのですが」
「そこが連合ではですね」
「全く理解されていないですね」
「階級とは即ち悪である」
「その考えで固まっていますね」
「確かに誰もが好きなものを食べられてです」
 連合ではというのだ。
「着られてお家も好きな場所に住めます」
「一介の市民が成功して豪邸を建てる」
「宮殿の様なものも」
「それも出来ます」
「はい、そしてそれが讃えられます」
「連合では」
「それはいいことですが」
 セーラもこのことは認めた。
 だがそれでもとだ、ラメダスとベッキーに話した。
「しかしです」
「それでもですね」
「それが完全な善か」
「そうではないですね」
「言い切れないですね」
「マウリアやエウロパでは」
 階級がある社会ではというのだ。
「決してです」
「それぞれの階級で住める家の様式があります」
「エウロパでは平民は宮殿には住めません」
「例え建ててもです」
「それは出来ません」
「ベルサイユ宮殿やサンスーシーの様な場所はです」
 そうした規模と様式の宮殿はというのだ。
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