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レーヴァティン
第二百五十話 軌道に乗るまでその十二

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「問題はない」
「そうした人でしたね」
「民を虐げたところかな」
 これはマルクス主義史観によるものだ、彼が定めた定免法という年貢の徴収方式がそうしたものだというのだ。
「薩摩芋を広めただけでもだ」
「大きいですね」
「あれは痩せた土地でも採れる」
「それも多く」
「尚且つ美味くな」
 そのうえでというのだ。
「栄養もある」
「素晴らしいものですね」
「ジャガイモもいいが」
 こちらの芋もというのだ。
「薩摩芋もだ」
「素晴らしいですね」
「あれが日本に入ってだ」
「大いに栽培されて」
「多くの者の腹を満たした」
「それは大きなことですね」
「非常にな、蘭学者青木昆陽の言葉を容れ」
 そうしてというのだ。
「薩摩芋を天下に広めた」
「あの人の偉大な功績ですね」
「青木昆陽と共にな、まだ年貢を一体化させ」
 その定免法の話もした。
「市場経済の安定化も行った」
「しかもその年貢は低かったですし」
「低く定めかつだ」
 そのうえでというのだ。
「新田開発をしてもな」
「その分は民のものとした」
「そうして砂糖も広めたのだからな」
 白砂糖をである。
「民のことを考えていなかったか」
「逆ですね」
「心を砕いていた、寮要所も設けたしな」 
 小石川遼要所である、これも民の為であった。
「やはり名君で甘味にもな」
「関りの深い人ですね」
「本人は自覚していなかったかも知れないが」
「それでもその統治を見ますと」
「よく関わっている、甘いものが多いとな」
「その分豊かと言えますね」
「食いものが多くだ」
 そしてというのだ。
「餓えがなくなりな」
「そこからはですね」
「人は甘いものを求める」
「美味の中にですね」
「そうなる、甘さもな」
「だから甘いものが多いと」
「豊かな社会の証拠の一つだ」
 こう言うのだった。
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