第9話 無理っす
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いいか。
俺は巨大な木に【閃月】と二刀一対を置くと、手甲を装備すると全身から力を抜く。
手甲したけど、俺は基本的には蹴りが主体なんだよな。だって、殴ったら痛いじゃん?そのための手甲かもしんないけどさ。
とにかく、蹴りが主体です。手は使わなくても、肘とか掌底とかは使います。俺の構えは、自然体。
構えは取らず、ただ立つ。そして、氣を脚に集中させる。
言い忘れていたが、氣はサイボーグ母が習得していた。習得と言っても、氣を使って身体能力を上げるくらいだった。
そこからは、我流で頑張った。氣を全身や一部に行き渡らせることで、威力の向上を図った。
だが、全身に行き渡らせるのはそうでもないが、一部に集中させると疲労感が倍になり、すぐに集中が切れてしまっていた。
これは単純に一部に集中させるのが難しいのか、それとも氣の総量というか、氣の体力?って言ったらいいのか?
人間に体力があるように、氣にも体力が存在しており、それが切れることで集中が切れるってことか。
どっちかな。……どっちにしろ、鍛錬するしかないか。ってことで、それからは俺の1日に氣の鍛錬が追加されたのだ。
そして習得したのが、【内氣攻】である。【外氣功】は習得していない。多分、才能が無いんでしょ。
まあ、欲張り過ぎは良くない。【内氣功】が習得出来ただけでも充分だ。
一通り、漫画や本、ゲームで見た格闘術をなぞっていると、不意に後ろから視線を感じる。
ストーカー!?いや、これは俺に惚れた村娘か!?
……無いな。絶対無いな。どっちも無いわ。
振り返るとそこには、関羽が立っていた。
「関羽?どうした」
「ご相談があって探していたのですが、鍛錬をしていたようでしたので」
ってことは、それなりに前から見られてた?ハズい!…最近は言わないかな。
俺は手甲を外すと額から流れる汗を拭い、すっかり伸びた髪をかきあげる。
俺はバッサリと切りたいんだけどさぁ、母が切るなって言うんだよ。…暑いのにさ〜。でも、サイボーグ母には逆らえん。
それより、関羽の相談事だな。
「相談事って何だ」
「鍛錬はよろしいのですか?」
「丁度良いから、休憩だ」
俺は置いておいた【閃月】に掛けていた手拭いで汗を拭きながら、木の下に腰を降ろす。風が涼しい…。
関羽も俺の隣に女の子座りで腰を下ろした。ハの字じゃなくて、両足を同じ場所・方向にして座っている。
「それで?」
「はい。その…私に、鍛錬を付けてくださいませんか?」
………。
これで冒頭に戻るわけだが、あの関羽に俺が手ほどきをするだと!?
いやいやいや……。今は俺の方が上かもしれませんが、すぐに俺なんか追い抜かれるでしょ。
どうする
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