Lv67 ラルゴの谷
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く)の大地。また、眼前には、草木が殆ど生えていない火山岩のような黒っぽい岩肌の峡谷。そこを更に進むと……谷の奥で静かに佇む不気味で巨大な黒い神殿。俺は今そこにいる。
ここはイシュラナ神殿ではあるが、古の名はこれではない。別名、ラルゴの魔城という場所である。
イシュマリアでよく見かけるイシュラナ神殿同様、古代ギリシャの神殿のような佇まいをしているが、この神殿は岩肌を削って作られており、他の神殿と比べると建築様式が異なる。
現実世界にあるモノで例えると、アメリカの某冒険映画のロケ地で有名な、ペトラ遺跡のエルハズネ神殿がコレに近いかもしれない。
だが、褐色のペトラ遺跡とは違って、黒っぽい建造物の為、見た目は不気味の一言である。
まぁそんな事はさておき、なんで俺はこんな所にいるのかだが、それは勿論、先の動乱の後始末をする為であった。
事の発端は昨日まで遡る。
俺が目を覚ましてから10日後の昨日、朝食を終えた俺の所に、アヴェル王子とウォーレンさんがやって来た。
2人がやって来た理由は、サントーラ地方の太守・サムエル様から依頼されたという面倒な案件についての相談であった。
案件の内容だが、簡単に言うと『ラルゴの谷に向かったサムエル様の騎士達が、魔物達の奇妙な魔法によって捕らえられてしまった為、急ぎ救出してほしい』というモノであった。
ラルゴの谷はサントーラ地方ではあるが、太守の都でもあるサントレアラントより王都の方が近い。その為の依頼ではあるが、事はそう単純ではない。
なぜなら、閉じ込められた者の中に、どうやらサムエル様のご子息がいるそうなのだ。名はエドガーというらしい。
話によると、イシュラナの神官に化けた魔物を掃討する為、やる気MAXのご子息が騎士を引き連れて向かったそうで、その挙句に、まぁそういう事態が起きたそうである。
要するに、サムエル様は王都に泣きついたというわけだ。
正直、なんで俺に相談に来たの? と思ったが、2人が言うには、どうやらヴァロムさんが原因のようである。
サムエル様は当初、ヴァロムさんとラーのオッサン、それからヴァリアス将軍とアヴェル王子にこの話をしたそうだ。
で、今やる気を出しているアヴェル王子が救出へと名乗りを上げたわけだが、そこでヴァロムさんとラーのオッサンが『コータローの意見を取り入れて救出にあたると良い』などと余計な助言を与えた為、2人は俺の所に来たそうである。
俺に振るなよ! と思ったのは言うまでもない。
まぁそれはさておき、俺はそこでもう1つの謎について2人に話しておいた。
それは、オヴェリウスに出回る魚介類の件と、イスタドで起きている大漁の件、それからラルゴの谷で起きている魔物の増加についての関連性である。
2人は俺の話を聞き、俄かに
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