Lv67 ラルゴの谷
[4/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
た。大地は朱に染まり、天は割れ、闇が辺りを覆い始めてゆく。この地に住まう者達は皆、魔の軍勢の力に恐怖し、そして、絶望した。だがそんな中……一筋の希望が現れた。それは大いなる存在より啓示を受け、世界を救わんと立ち上がった6名の勇者達であった。そして、その6名の勇者達は、大いなる存在の啓示に従い、ラムゥの岬より、日出ずる方角へと旅立ったのだ……大いなる力を封じし神殿、ダーマの地を目指して……と】
サナちゃんが話し終えると、暫しの静寂がこの場に訪れる。
(6名の勇者達が、大いなる力を封じし神殿、ダーマの地を目指して……か。しかも大いなる存在ねぇ……。まぁドラクエっぽい言い伝えではあるが、ダーマ神殿の伝承としてはイシュマリアのモノとそう大差ないみたいだ。大いなる力という共通のキーワードが出てくるので、ダーマ神殿には何か特別なモノがあるのかもしれない。実際に行ってみないと、その辺の謎は解けないのだろう)
俺がそんな事を考える中、アーシャさんが口を開いた。
「初耳ですわ。ラミナスにはそんな言い伝えがあるのですね」
「ラミナスにもダーマ神殿の伝説があったのですね……」
「はい。ですがこれは、ラミナスのとある地域の民間伝承なので、それほど有名な言い伝えではありません。ラミナスでも知っている者は、かなり少ないと思います。それこそ、学者か、その地に住まう者くらいだと思いますから」
「へぇそうなんだ。ってことは、サナちゃんは結構勉強家なんだね。偉いなぁ」
するとサナちゃんは照れたのか、少しはにかんだ表情になる。
「勉強家ではないですよ。そうじゃないんです。実は私……古の勇者の伝説や物語に興味があったので、そういう伝承を調べるのが好きだったのです。だからですよ」
「じゃあサナちゃんは、勇者の伝承に詳しいんだね」
「はい。といっても、私はラミナスの伝承しか知りませんけど」
ここはドラクエ世界だから、そう言う伝承はあっても不思議ではないが、ここにきて初めて勇者というわかりやすい単語を聞いた気がする。
ゲームならもっと早く出てきそうなワードなので、今更かよと言った感じだ。盟約とか言われてもピンとこないので、余計にそう思ってしまうところである。
まぁそれはともかく、気になるので訊いておこう。
「例えば、どんなのあるの?」
「そうですね……そういえば、以前コータローさんから聞いた話とよく似た話がありますよ。魔王に攫われたお姫様を救う勇者の話です。コータローさんが以前話してくれたのは、邪悪な竜王がお姫様を捕らえる話でしたから、魔王ではないですけど」
「そういや旅してる時、そんな話をしたね」
今の話を聞き、旅の宿でサナちゃんとアーシャさんに、ドラクエシリーズの話をしてたのを思い出した。
「あ、その話覚えてますわ。確か、勇者ロトの
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ