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Dragon Quest外伝 〜虹の彼方へ〜
Lv67 ラルゴの谷
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話ですから」
「勿論ですわ」
「私も誰にも言いません」
「私もです」
「わかりました。では、3人を信じてお話ししましょう。なぜ風の帽子が必要なのかでしたね。それは……ミュトラの書を回収する為に使いたいからだと思いますよ」
 アーシャさんは眉間に皺を寄せる。
「回収? ど、どういう事ですの?」
「どうやら、ラーのオッサンが言うには、ミュトラの書がダーマ神殿への道を開く鍵みたいなんですよ。なので、ミュトラの書をどうしても回収しないといけないんだそうです」
「ええッ!?」 
「なんですってッ!?」
「そ、そうだったのですか」
 3人は目を大きく見開いて驚きの声を上げた後、慌てて両掌で口を覆った。
 あまり大きな声で出来ない話だから、流石にまずいと思ったのだろう。
 アーシャさんは小声で話を続けた。
「ダーマ神殿って……もしかして、王家が長年探し求めていたという、大いなる力を封じたとされる、古の神殿の事ですの?」
「ええ、恐らくは」
「そうだったのですか……これで理解しました。どうりで、父が話してくださらなかったわけですわ」
 アーシャさんは溜息混じりでそう言うと、納得がいかないのか、怒ったように頬を膨らました。
 怒りのベクトルが変な方向に行くといけないので、とりあえず、宥めるとしよう。
「まぁまぁ、そう怒らないでください、アーシャさん。ソレス殿下が黙っていたのは、アーシャさんに危険が及んでほしくないという親心からだと思いますから」
「でも、なんだか納得いきませんわ。こうなったら、風の帽子は私が同行することを条件に、お貸しするしかないですわね」
「そ、そうですか……」
 どうやら俺の所為で、ソレス殿下の目論見は崩れ去る事となりそうだ。
(すいません……ソレス殿下。とりあえず、後でヴァロムさんに根回しだけはしとこう……)
 などと考えていると、サナちゃんが話に入ってきた。
「あの、コータローさん……私、ダーマ神殿の話を今初めて聞いたのですが、ほ、本当にあるのですか?」
「本当にあるのかどうかはわからないけど、ラーのオッサンが言うんだから、あるのかもね。それがどうかしたかい?」
「実はラミナスには、今仰られたダーマという名の神殿が登場する言い伝えがあるのです」
 どうやらラミナスにもダーマ神殿の伝承があるようだ。
「へぇ、言い伝えか……で、どんな話なんだい?」
 サナちゃんはゆっくりと静かに話し始めた。

【……今より遥か遥か昔……カーペディオンが栄華極めし時代……無数の悪しき魔の軍勢がどこからともなく地上に現れ、この世に未曽有の厄災をもたらした。大地に住まう者達は皆、果敢に魔の軍勢に立ち向かった。だが、魔の軍勢の恐ろしい力の前に、1人、また1人……世に武勇が轟く歴戦の戦士ですらも……成す術無く倒れていっ
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