怪鳥
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びが。
それも二重に。
ウィザードが振り向くと、そこには、二体の怪鳥が牙を向けていたのだ。
「っ!」
体勢を変えるがもう遅い。
二体の怪鳥は、迷わずウィザードの両腕にかぶりついた。
ウィザードのローブを貫通し、肉体にそれぞれ大きな威力の刃が貫いてくる。
「ぐっ……!」
さらに、怪鳥たちは猛烈な力でウィザードの両腕を引きちぎろうとしてくる。
「ハルトさんッ! 『Balwisyall Nescell』」
地上より、黄色の歌が聞こえてくる。
やがて、眩い光が怪鳥たちの視界を覆い、その動きを大きく鈍らせた。
『gungnir tron』
光とともに、響がウィザードの前に躍り出る。
響の姿は、さっきまでの黄色と白の服装ではない。黄色をメインとした武装。両腕には大きな籠手が装備され、その首からは白いマフラーがたなびいている。
「たあッ!」
上空の響は、即座に攻撃に移る。二度のかかと落としで、二体の怪鳥を叩き落とした。
「我流・翔空降破ッ!」
さらに、響は即座に空中から落下。
腰に装着されたブースターが火を噴き、彼女の勢いを増していく。
二体の怪鳥へまとめて放たれた拳。
だが。
怪鳥の口から、空気が震えだす。無数の光が、二体の怪鳥の口へ集まっていく。やがて、その口からは、黄色の可視化光線が発射された。
「だとしてもおおおおおッ!」
響は発破とともに、地上への速度を速める。
ウィザードが知る響ならば、このまま光線を掻きわけながら進んでいくだろう。
確かに、響の拳により、怪鳥たちの攻撃は真っ二つに割れ、響の両耳を掠めた。
すると、響の動きが傾く。怪鳥たちとは見当違いの場所へ落ちていき、そのまま地面にクレーターを作り上げた。
「うっ……」
地上の響は、頭を抑えながら混乱している。ガングニールの変身が瞬時に解かれてしまう。
「響ちゃん! どうして変身が……」
だが、ウィザードは驚いてはいられない。
二体の怪鳥が、脅威から餌にランクアップした響へ食らいつこうとする。
ウィザードは急いで響へ降下していく。さらに、逆方向へ向き、ウィザーソードガンを逆噴射させる。
『ハリケーン シューティングストライク』
風の魔力による逆噴射で、風のウィザードの機動力を増す。
それは怪鳥たちを先回りし、響の前に降り立つ。
もう魔法を使うのは間に合わない。
ウィザーソードガンとともに、ウィザードは二体の怪鳥を迎え撃とうと身構える。
そして。
「ああああああああああああああああああっ!」
紫の光が、ウィザードの背後から差し込んでくる。
その正体を確認する必要はない。
す
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