怪鳥
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鳥類と想像付かない生物。血がべっとりと付着した牙が、否が応でも目に入る
そして。
「来る!」
ギャオ、という鳴き声とともに、怪鳥は飛び上がった。一瞬だけ上昇し、マッハにも迫る速度でハルトたちを喰らおうと攻めてくる。
「変身!」
ハルトは急いで、エメラルドの指輪で変身。
緑の風が、怪鳥のスピードを殺し、上空へ押し返す。同時に風のウィザードとなり、ウィザーソードガンを身構えた。
「ハルトさんッ!」
「こっちは俺が何とかする。響ちゃん、その子をお願い!」
「うんッ!」
響が少年を背負って行くのを見送るのと同時に、ウィザードは風に乗って上昇していく。
ウィザードを敵と見定めた怪鳥は、そのままその牙で食らいついてくる。
ウィザーソードガンを振り上げ、刃と牙が激突する。ウィザードと怪鳥、両者の蹴りが同時に互いへ命中。大きくその体をのけ反らせた。
「くっ……」
ウィザードは体を回転させながら体勢を立て直す。
だが、怪鳥はすぐさま攻撃を続ける。
その翼を広げ、何度もウィザードへ突撃してくる怪鳥。相手の攻撃を一つ一つ銀の剣で防ぎ、受け流していく。
「なんて素早さだ……一瞬だけでも、アイツの動きを止められれば……」
ウィザードはソードガンをガンモードに切り替え、怪鳥へ発砲した。
無数の銀の弾丸が、魔力制御された軌道をもって怪鳥へ降り注いでいく。
だが、怪鳥は運動性能を遺憾なく発揮し、銃弾を掻い潜っていく。対象を見失った銃弾は、撤去されない瓦礫に命中し、火花を散らしていく。
怪鳥は再びウィザードへ迫る。
応戦することを諦めたウィザードは、別の手段として右手の指輪を入れ替える。
『バインド プリーズ』
魔法陣より放たれた無数の鎖が、怪鳥を捕えようとする。だが、機敏な動きの怪鳥は、それを全て回避し、ウィザードとの距離を詰める。
『ディフェンド プリーズ』
風の防壁が、怪鳥の動きを止める。その時、怪鳥が痙攣した。
「え……!?」
さきほどまでの機敏な動きからは一転、苦しみもがいている。
それは、丁度朝日が昇る時間。
東から顔を出す太陽が、怪鳥の視界を奪っていく。
「今だ!」
『ハリケーン スラッシュストライク』
ウィザードは、即座にウィザーソードガンに緑の指輪をウィザーソードガンに読み込ませる。
ウィザーソードガンの刃が薙がれるのと同時に、緑の風が吹き荒れる。
怪鳥を巻き込み、竜巻となって上昇していくそれは、やがて怪鳥の体を細切れに切り裂いていった。
「やった……」
ウィザードはそのまま、地上に降りて行こうとする。
だが。
また、聞こえてきた。
ギャオ、ギャオという雄たけ
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