第三章
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家に帰って早速インターネットで青鷺の妖怪と思ってそちらで検索してみた、そうするとであった。
「あれ青鷺火って言うらしいわ」
「青鷺火?」
「歳取った青鷺は妖怪になってね」
そうしてというのだ。
「ああして火を出すことがあるらしいの」
「そうなの」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「あれはね」
「妖怪になった鳥なのね」
「そうよ、歳を取ってね」
「そうだったのね」
「生きものは凄く長生きすると妖怪になるでしょ」
妹にこうも言った。
「そうでしょ」
「猫又とか?」
由奈はここでこの妖怪を思いだした。
「あの猫の」
「そう、猫が五十年生きたらね」
そうすればというのだ。
「その時はね」
「猫又になるのよね」
「狐や狸だってそうでしょ」
こういった生きもの達もというのだ。
「犬や狼だってね」
「歳を取ったら妖怪になるのね」
「あんまりにも長生きしたらね」
そうなればというのだ。
「それで青鷺もよ」
「それで光ってるのね」
「そうよ、あれは青鷺でね」
そしてというのだ。
「青鷺火だったのよ」
「そうなのね。別に鳥さんならね」
それならとだ、由奈は応えた。
「怖くないわね」
「そうでしょ」
「こっちが何もしないと襲ってこないわね」
「烏もそうでね」
街の何処でもいるこの鳥もというのだ。
「青鷺もよ」
「同じね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「怖くないのね」
「そうよ」
実際にとだ、姉も答えた。
「だからね」
「気にしなくていいわね」
「全くね」
それこそというのだ。
「だからね」
「怖がらなくていいわね」
「そうよ、それじゃあ帰りましょう」
あっさりとした口調でだ、姉は妹に話した。
「そうしましょう」
「うん、それじゃあね」
妹も頷いた、そうしてだった。
二人は仲良く家に帰った、青鷺は二人が去ったその時にはもう駐車場から何処かに飛び立っていた、彼は最初から二人を見ておらずそうした。
そして二人は帰り道夜空に青白い火が飛んで行くのを見て話した。
「あれ多分さっきの青鷺よ」
「そうなのね」
「同じ色だからね」
そうした火だからだとだ、姉は妹にその火を共に見上げつつ話した。
「そうよ」
「あのまま何処に飛んで行くのかしら」
「自分の巣じゃない?それでね」
「そこで寝るのね」
「そうじゃないかしら」
姉妹でその火を見上げながら話した、火は悠然と空を飛び何処かへと消え去った。姉妹でその火を見送りながら彼女達の家に帰った。
青鷺火 完
2022・5・30
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