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彼と過ごす初めての日曜日、私は、朝からお弁当を作ってパソコン教室に出掛けて、そして、お昼に鴨川デート。
会った時、巧さんは私を見てしばらく声が出なかったみたい。だから、私も何と言って良いか・・仕方ないので
「いい天気で良かったね」と、つまんないことを言ってしまった。
「あっ あぁー 香波の脚に見とれてた やっぱり 真っ直ぐだね でも、あんときは 日焼けして、褐色に光っていたけど」
「うーん 普通のスカートの方がよかった?」私はキュロットを穿いていたのだけど。
「いや そんなこと無いけど なんか ドキドキするよね」
河川敷に座って、お弁当を広げて、
「ねぇ ご飯どうしてんの? ちゃんと食べてるの?」
「うん 不規則だから 寮のご飯は申し込んでいないんだ でも、生協でお昼とかバイトにいく前には、ちゃんと食べるようにはしているよ」
「なんか 不健康な気がするなぁー 私もね 京都に出てきて、しばらくは不安でね 小麦粉練って野菜と混ぜたものを焼いたものばっか食べてたの 私は、女だから良いけど、巧は力つけなきゃね あのね 火曜日の朝と日曜 私 お弁当作るから 食べてくれる 栄養 考えるから」
「香波 有難いけど 悪いよー」
「いいの! それぐらいする! そのかわり 私を、巧の彼女にしてね」
「そりゃぁ 当然だよ こうやって 逢えたんだから」
「うん おばぁちゃんとバクのお陰かなー 嬉しい! やっと 私の夢が始まるんだ」
「そんな大げさなもんじゃぁないよ なぁ 店長さんってどんな人なの」
「すごーく賢くて美人でね 大学でも評判だったみたいよ 巧の先輩だよ 面接に行った時もね、私の巧を頼りに出て来た話にあきれていたみたいだけど、親切にしてくれてね 私、感謝してるんだ でなかったら、今、ここに居なかったかも それにね 尊敬もしてる 今のお店も自分で始めたみたいだし だけど、京都の老舗のお嬢さんなんだよ」
「そーなんか 良い人に出会えて良かったね 僕は、あの時、中途半端なこと言って、島を離れてすまないと、後悔したんだ。心の中では、決心して、もう一度、島に行けばイイやという 軽い気持ちだった すまん 香波」
「なにいってんのよ 私 あの浜で 巧の気持 わかったよ 繋がったの 糸で だから それを信じて・・だけど、巧の負担にはなりたくない 付いて行くだけね」
「うん もう 離れるのは よそうね」 巧さんは、私の手をとって、ずーと握っていてくれた。
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