第七部
7-1
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「どうするかなー 大人っぽいのもなー あんまり、子供ぽいのもなー どんなのが気にいってもらえるかなー」と、お姉ちゃんは1週間前から悩んでくれていた。
私か゛巧さんと会う時の服。最初の印象って、大切なのよと・・言ってくれていた。買い物に連れて行ってくれて、スカイブルーのハイウェストで背中の部分が編み上げになっている少し短めのワンピース。
「少し、子供ぽいけど・・やっぱり まだ 17才なんだものね それなりが一番よ ぶつかっていくのよ 香波」と、言ってくれていた。
有沢さんから言われたように、大学生協の前で待っていた。お姉ちゃんからは、お店を出る時
「いい 香波 なんにも、考えないで あなたの思いだけをぶつけるのよ」と、念押しされていた。
なんか学生には見えないのか、通る人に、割とチラチラ見られながら・・
来た! 巧さん 有沢さんを探しているのか 周りを見回すように、汚いパーカーとジーンズでにボサボサ頭。私をチラッと見て、興味なさげに、又、キョロキョロと・・。わかんないのかなー。
私は、視界に入るように回り込んで「バク」と、呟いた。しばらく、私を見ていて
「か な み ちゃん? だよね 男の子みたいだったし いや こんなに可愛い女の子なのか」と、私は、その時、精一杯の笑顔で・・
すると、抱きしめられて「かなみちゃんだよね なんでここにいるの? まぼろしじゃあないよね」と、そして、だんだんと強く。
「巧さん 苦しい」と、思わず
「あっ ごめん」と、ようやく放してくれた。
「どうして ここに居るんだい?」
「だって 私 巧さんに逢いたくて 待っていたの こっちで働いて ずーと 逢いたかったの 有沢さんが、今日ここで待ってろって」
「そう はじめ と ここで待ち合わせしてたんだけど・・あいつ」
その後、私達、木陰のベンチに座って
「これね 私が働いているとこのワッフルサンド、焼き豚のとポテトサラダの 私が焼いたの 食べて」
「あっ そう」と、食べてくれたら「うん 旨い ハニーエンジェルかぁー 知らないなー」
「そうなの クレープもやってるんだけど」
「あっ あそこかー クレープなんて 女の子ばっかりだから 寄ったこともなかったんだ いつも、自転車で素通り」
「私ね もう 1年半になるの おばぁちゃんが突然亡くなってね 脳溢血だった 私 身寄りもいないから・・ 心細くって 巧さんを 頼って京都に来たの あそこのお店で働いていたら逢えるんじゃあないかと ねぇ 迷惑かなぁー」
「そんなことないよ 僕も島に行ったんだけど、もう、逢えなかった 香波ちやん 高校は?」と、私の手を包むように繋いできてくれた。
「うん 辞めたの 島を出て、
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ