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八条学園騒動記
第六百五十九話 愚かも極まるとその十四

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「連合は」
「ですからこのウイスキーも」
 最上級のそれもというのだ。
「普通にですね」
「連合ではですね」
「お金を出せば」 
 それでというのだ。
「誰も飲めて」
「それを批判されないですね」
「そうですね」
「奮発したと」 
 例え飲んでもというのだ。
「それで、です」
「終わりですね」
「そうですね」
「連合はそうした国で」 
 ベッキーも言って来た。
「お嬢様も安いものでもですね」
「インスタント食品や冷凍食品も」
「召し上がられますね」
「マウリアでは絶対にありません」
 セーラは言い切った。
「マハラジャの家に生まれてそうしたものを口にすることは」
「左様ですね」
「それはないですね」
「それも絶対にです」
「有り得ないことです」 
 ラメダスとベッキーもそれはと答えた。
「何があろうとも」
「常にシェフが作ったものです」
「素材も調味料も厳選してです」
「腕によりをかけた」
「そうしたものは確かに最高に美味しいです」
 セーラもこのことは認めた。
「ですがそれが常にです」
「エウロパでもですね」
「それは同じですね」
「貴族も爵位を持つか政府の高官になれば」
 そうなればというのだ。
「軍で言うと将官になれば」
「閣下と呼ばれる立場になれば」
「そうなればですね」
「シェフが付きますので」
 そうなるからだというのだ。
「必然的にです」
「インスタント食品や冷凍食品は食べないですね」
「そうなりますね」
「マウリアと同じく階級社会なので」
「どうしてもですね」
「そうなります、平民階級でも政府の高官ともなれば」
 平民出身のエウロパ総統も多い、階級は生まれによるものであるが国家元首は選挙で選ばれるのがエウロパなのだ。そしてその国家元首が大きな権限を持っているのだ。
「シェフが付きます、むしろ」
「雇わないとです」
「エウロパではおかしいです」
「そうした社会です、ですが連合では」
 ウイスキーを飲みつつだった。
 ピーナッツを食べてだ、セーラはまた話した。
「こうしてです」
「誰もが何でも食べられます」
「一国の国家元首もジャンクフードを食べます」
「そしてコーラも飲みます」
「安いお酒も飲みます」
「そうした国ですね、ではこれからも」 
 笑顔で言ってだった、セーラは。
 再びウイスキーを飲み二人に話した。
「この連合での留学を続け」
「そしてですね」
「そのうえで、ですね」
「この国に親しんでいきます」
 こう言ってピーナッツも食べた、そうして打ち上げの夜を楽しむのだった。


愚かも極まると   完


                   2022・3・9
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