第六百五十九話 愚かも極まるとその十三
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「今飲んでいるウイスキーですが」
「カナダ産です」
ベッキーはその産地の話をした。
「こちらは」
「そうですか」
「如何でしょうか」
「素敵な味ですね、ただ」
「ただ?」
「連合のウイスキーは親しみやすい味ですね」
こう言うのだった。
「とても」
「最上級でもですね」
「お金を出せば」
それでというのだ。
「誰もが飲める」
「それが連合ですね」
「エウロパですと」
先に留学していたこの国の話もした。
「お金がありましても」
「階級によってですね」
「飲めるお酒とです」
「飲めないお酒がありますね」
「貴族は安いお酒は飲めず」
例えそれが美味かろうともだ。
「貴族が飲むものというお酒をです」
「飲んでいますね」
「それも爵位がです」
貴族のそれがというのだ。
「関係しています」
「公爵ともなりますと」
貴族の爵位の最高位とされている、その上の大公となると貴族と言うより君主であり王室でもかなりの上位の者だ。
「それこそれですね」
「お酒も特別な」
「そうしたものしかです」
まさにというのだ。
「飲めないです」
「そうなっていますね」
「ですが連合では」
ラメダスが言ってきた。
「大統領、アメリカや中国の様な大国のその立場の人でも」
「それでもですね」
「スーパーで売っている安い缶のものを飲んでも」
それでもというのだ。
「食事もコンビニで売っているものでも」
「飲んでも食べてもいいですね」
「むしろ時間がないと」
政治家は往々にして忙しい仕事だ、そうでないのは二十世紀後半から二十一世紀前半の日本の左翼政党位か。政策を考えることなく相手の揚げ足取りばかりだとこれ以上はないまでに楽な仕事になるということか。
「インスタントでも冷凍食品でも」
「食べますね」
「それが連合ですね」
「階級がないので」
「誰でも何でも食べていいですし」
「飲んでいいですね」
「そうですね」
こうセーラに述べた。
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