暁 〜小説投稿サイト〜
ハッピークローバー
第二十三話 安売りだったのでその十二

[8]前話 [2]次話
「それで入っている時もね」
「幸せよね」
「熱いお風呂はいいにしても」
 それでもというのだ。
「すぐに出るってね」
「何がいいのかよね」
「私にとってはね、お蕎麦だってね」
「噛むわね」
「噛んでコシを味わう」 
 その蕎麦のだ。
「味もね」
「お母さんだってそうよ」
「そうよね」
「それがいいのよ」
「そうよね、大阪人から見たら」
 どうしてもと言うのだった。
「東京の食べ方は合わないわね」
「そうね」
「というか私大阪に生まれてね」
 そして暮らしていてというのだ。
「よかったわ」
「それで幸せなのね」
「生まれがそうだから馴染んでるのかも知れないけれど」 
 それでもというのだ。
「大阪がね」
「いいのね」
「ここにいたらね、それだけでね」
「幸せね」
「大阪がやっぱりいいわ」
 しみじみとした口調での言葉だった。
「私にはね」
「じゃあ大阪にずっといたい?」
「いたいわ」
 否定しなかった、このことを。
「本当にね」
「そこまで大阪が好きなのね」
「うん、そう出来たらいいけれどね」
「それだけで幸せね」
「そう思うわ。ホルモンだってね」
 今食べているそれもというのだ。
「大阪が本場?」
「どうだったかしら。けれどよく食べるわね」
「大阪だとそうよね」
「漫画でも出ていたしね」
「じゃりン子チエね」
「昔の漫画だけれどね」
 大阪の西天下茶屋辺りを舞台にした漫画である、大阪の下町のホルモン屋の親子を軸に描いたギャグ漫画である。
「あの漫画でもあったでしょ」
「主人公ホルモン屋の娘さんだしね」
「小学生のね」
「そのせいかしらね」
 大阪はというのだ。
「ホルモンの本場ってね」
「一華は思うのね」
「そのせいかホルモンもね」
 今食べているそれもというのだ、事実楽しく食べている。
「大阪が一番って思えるから」
「大阪にいたいのね」
「ええ、鶴橋とかに行って」
 大阪のその地域にというのだ。
「それでね」
「ホルモン食べるのも」
「いいわよね」
「ええ、あそこは他に焼き肉とチヂミね」
「そういうのも名物よね」
「キムチもあって」
 鶴橋にはというのだ。
「あと冷麺もあるわよ」
「お酒はマッコリで」
「そういうのもいいでしょ」
「ええ、だから大阪にいたいわ」
 これからもとだ、一華は母に答えた。
「そして出来ればね」
「ずっといたいのね」
「そう思うわ。どう考えても私に東京は合わないし」
 今日の話で思ったことだ、それも強く。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ