第二十三話 安売りだったのでその十一
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「丼と一緒とか」
「あるわね」
「お父さんこの前お店できつねうどんと親子丼食べてたでしょ」
「それがあっちじゃないんだ」
父はトマトを食べつつ話した。
「そうしたこともな」
「そうなの」
「お蕎麦はおかわりするんだ」
「そうするの」
「あとお茶も飲まないんだ」
「お茶も?」
「お蕎麦を食べるとな」
その時はというのだ。
「蕎麦湯を飲むんだ」
「蕎麦湯?」
「お蕎麦を煮た時のお湯だ」
「それ飲むの」
「お茶はあがりだから縁起が悪いってな」
そう言ってであるのだ。
「そうするんだ」
「その琴も違うのね」
「大阪とはな」
「本当に全然違うのね、それじゃあね」
一華はここまで聞いて心から思った。
「私にはね」
「東京は合わないか」
「元々好きじゃなかったけれど」
それでもというのだ。
「絶対に東京じゃ暮らせないってね」
「思ったか」
「食生活も違うのね」
「お風呂の入り方もよ」
母はこちらの話もした。
「あっちじゃ高い温度ですぐによ」
「出るのね」
「そうよ、長く入らないのよ」
東京ではというのだ。
「そうするのよ」
「熱いお風呂に入って」
「すぐに出るのよ」
「そうするの」
「一華は結構長いでしょ」
「だって私冷え性だから」
そのことを自覚しているからだ。
「だからよく温まってね」
「冷えない様にしているわね」
「さもないと身体冷えて大変だし」
特に冬がそうであることは言うまでもない。
「身体の疲れも取れて気分転換にもなるし」
「それでよね」
「お風呂はね」
「長く入るわね」
「そうしてるわ」
実際にというのだ。
「すぐに出たらね」
「冷え性も治らなくて」
「身体の疲れも取れないから。熱いお風呂でもね」
それでもというのだ。
「長く入るわ」
「そうね、あんたは」
「サウナも入るし」
こちらもというのだ。
「これはかな恵も富美子も留奈も理虹もね」
「皆なのよね」
「冷えるとか言って」
それでというのだ。
「お風呂はね」
「長く入るわね」
「そうしてるわ」
実際にというのだ。
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