第21話 軍師の母
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私は孝敬里に着くと直ぐ、司馬防の屋敷を訪ねました。
麗羽達には今日泊まる宿を探しておいてもらうことにしました。
目的の司馬懿の屋敷は、街の人に聞いたら直ぐ分かりました。
司馬家の屋敷をいきなり訪ねたので、今日は司馬懿に面会できないと思いましたが、すんなり通されました。
召使いに屋敷内を案内され、応接室にいます。
暫くすると、妙齢の女性が部屋に入ってきました。
黒髪の長髪で、知的なスレンダー美人ですが、性格はかなり厳しそうに感じます。
「私が司馬防です。劉ヨウ殿と仰いましたね。確か、劉本殿のお孫様ですね」
彼女は私の前に座って、私に名乗りました。
司馬防は、司馬懿の母親であり、史実で華琳を尉に推挙した人物だったはずです。
「はい。司馬防様には、突然の訪問にも関わらず、わざわざ、ご面会の機会をいただきありがとうございます」
私は面会の機会を作ってくれたことへの感謝の気持ちを伝えました。
「お気に為さることはありません。私も『山陽郡の麒麟児』がどういう人物か一度会ってみたいと思っていました」
「私の異名を何故知っておられるのですか?エン州ならまだしも、ここ司隷州でも噂になっているのですか?」
私は「山陽郡の麒麟児」という異名があまり好きではないです。
小市民の私には大仰な異名は気が重くなります。
「いいえ、司馬家の情報網を通して知りました。あなたが幼少時より化け物じみた強さで、山賊を討伐していたこともお聞きしております」
司馬家の情報網って凄いですね。
猫耳軍師の情報網とどっちが上なのでしょう。
「劉ヨウ殿は武勇だけでなく、勉学にも励んでおられるそうですね」
「私はいったて頭の方は平凡な人間です。平凡なりに努力しているだけです。司馬防様のお子様のように優秀ではありません」
「ご謙遜なさらずとも良いのですよ。己を知るのは、あなたが優秀である証です。それで、わざわざ私の屋敷に来られた理由をお聞かせ願えませんか?」
司馬防は私を褒めると、来訪の理由を尋ねてきました。
「私は今、旅をしています。この河内に入った際、司馬防様のご息女である司馬懿殿の話をお聞きしまた。それで司馬懿殿にお会いし、私に仕官をして欲しいと頼みにきました」
「懿にですか?」
司馬防は訝しい表情をしています。
「はい。司馬懿殿に是非、私の右腕になって欲しいのです。私は、現在、無位無官の身です。しかし、いずれ必ず立身してみせます」
私は司馬防に自分の気持ちを真剣に伝えました。
「劉ヨウ殿が無位無官かどうかをとやかくいうつもりはありません。よりにもよって懿ですか・・・」
司馬防は何故か難しい顔をしています。
「懿は博覧強記・才気煥
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