第二章
[8]前話
そんな中スタッフに現場を任せて二ヶ月程南アフリカを後にした、そして。
帰ってきたがここでだった。
今回も取材に来ていたジャーナリストが言ってきた。
「二ヶ月位会っていないと」
「忘れられているかな」
「そうなっていませんか?」
「大丈夫だよ」
シュナイダーはジャーナリストに明るい笑顔で答えた。
「全く心配はいらないよ」
「そうなんですか」
「何度かそうしているけれどね」
「それでもですか」
「皆覚えてくれているよ、特にね」
「特に?」
「ライオンの一家はね」
とりわけ親しい彼等はというのだ。
「そうだからね」
「安心されていますか」
「うん、じゃあ今から感動の再会だよ」
こう話してだった。
シュナイダーはジャーナリストを連れて帰った、すると。
どの生きもの達も彼を見ると嬉しそうな仕草を見せた、そして。
ライオンの一家は喉を鳴らして近付いてきた、それでだった。
シュナイダーは彼等と抱き合った、そうして再会を喜び合ってからジャーナリストに満面の笑顔で話した。
「この通りだよ」
「二ヶ月振りでもですね」
「僕のことを覚えておいてくれてね」
「再会を喜んでくれますね」
「そうだよ、だからね」
それでというのだ。
「心配はいらないんだ、ただ心配はしていることがあるよ」
「何についてでしょうか」
「ここにいるのは皆酷い目に遭ってきたね」
シュナイダーはライオン達から離れジャーナリストに話した。
「野生動物はそうした危険に脅かされているんだ」
「アフリカの深刻な問題の一つですね」
「野生は素晴らしい、けれどね」
「それが脅かされているんですね」
「絶滅した生きものもいるね」
「アフリカには」
「クァッガやブルーバックスがそうなったし」
シュナイダーは悲しい目になって話した。
「ここにいる彼等もだよ」
「そうした過去があったので」
「そのことをインターネットでも話しているし」
野生動物ひいてはアフリカの環境の危機をというのだ。
「皆に知ってもらいたいよ、僕はそのことがね」
「心配ですね」
「うん、皆にそのことを知ってもらって」
そうしてというのだ。
「それぞれ動いてくれたら嬉しいよ」
「そうお考えですね」
「そうだよ」
ライオン達それにそこにいる生きもの達を見て語った、そこには優しさと悲しみそれに不安があった。生きもの達をいとおし気に見てかつ彼等の過去について想い環境や命を心配していた。ジャーナリストは彼のその目も見てだった。
彼のことを世界に伝えた、そのうえでアフリカの危機の一つについて彼なりに動いたのであった。
野生動物達を救って 完
2022・5・29
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