第一章
[2]次話
野生動物達を救って
スイスチューリッヒ出身のディーン=シュナイダーは細面でプラチナブロンドの髪と薄めの黒髭をたくわえた端整な男性である、かつては金融業界にいたが。
「退職されですね」
「そうだよ、子供のころから自然特に野生動物に思うことがあってね」
シュナイダーは取材に来たジャーナリストに笑顔で話した。
「この南アフリカに移住してね」
「環境保護団体を立ち上げられて」
「そして手に入れた土地の中でだよ」
「生きものを保護されていますね」
「そうだよ、リハビリとケアを行ってね」
そうしてというのだ。
「自然に戻す様にしているんだ」
「そうですか」
「ここにいる子達は皆酷い過去があるんだ」
シュナイダーは団体の土地の中にいる生きもの達を見て語った。シマウマやガゼル、チーター、ヌー、チンパンジーといった生きもの達だ。アライグマまでいる。
「違法ブリーダーや密猟者や酷い動物園からね」
「保護した子達ですね」
「そうなんだ、自然の中で生きていても」
そうであってもというのだ。
「彼等に捕まったりしてね」
「傷付いた子達ですね」
「トラウマを与えられて自然からも引き離されて」
そうなっているからだというのだ。
「辛いを思いをしてきたんだ」
「皆そうですか」
「そうなんだ、だからね」
その為にというのだ。
「僕は彼等を僕が出来る限りね」
「助けていかれますか」
「そうしていくよ」
ジャーナリストに笑顔で話した、そして。
自分のところに来たライオン達を見て彼等の身体を撫でつつさらに話した。
「ガウ」
「ガウガウ」
「ガウウ」
「彼等とも絆が出来たしね」
「ライオンですね」
「種族は違うけれどね」
それでもとだ、シュナイダーはジャーナリストにライオンの中に入ってさらに話した。
「こうしてだよ」
「絆が生まれましたか」
「そうなったよ、ライオンは実はそんなに人を襲わないよ」
「実際は大人しい方ですね」
「相当餓えているか人の味を覚えないとね」
そうでないと、というのだ。
「襲わないよ」
「私もそれは知っています」
「それは有り難いよ、そして絆が生まれたらね」
そうなればというのだ。
「こうしてだよ」
「仲良くなれますね」
「家族と思ってくれるんだ」
「ではシュナイダーさんはこれからも」
「彼等と家族でいるよ」
ライオンを抱き締め喉を鳴らす彼等をいとおしげに見つつ話した、シュナイダーは保護した生きもの達を心から愛していた。
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