過去編 ウルトラゼファーファイト
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での迎撃を中断すると、燃え盛る発電所内に向かって走り出して行く。
入隊から間も無い新人だろうが、こうなれば彼にも頼るしか無い。そう判断した弘原海と琴乃は敢えて制止することなく、職員達の救助を匡彦に任せていた。
「……しかしあいつ、ここ最近は異様に勇敢なんだよなぁ。ついこの間までは、ちょっと頼りないくらいだったんだが……」
「もしかしたら彼も雄介に……ウルトラマンザインに刺激されているのかも知れませんね」
「ハハッ、俺達も負けていられねぇなッ!」
発電所を目指し、ネロンガの電撃を掻い潜りながら走り続けている匡彦。その背中を一瞥する弘原海と琴乃は、不思議そうに顔を見合わせている。
BURKに入隊したばかりである彼は、ほんの数日前までは新人らしい臆病さもあったはずなのだが――最近はまるで、歴戦の勇士であるかのような佇まいで、勇敢に怪獣達に立ち向かっているのだ。その変貌に小首を傾げつつも好意的に受け取っている2人は、江渡の成長と活躍に期待しながら、光線銃を撃ち続けていた。
「くッ、火災がどんどん激しくなって……うあぁッ!?」
一方、発電所に到着した匡彦は、職員達の悲鳴が聞こえる方向へと走り続けていたのだが――行手を阻む火の勢いに思わず足を止めていた。そして、次の瞬間に起きた爆発に巻き込まれ、激しく吹っ飛ばされてしまう。
「しまった……!」
その弾みで彼の懐からは、スティック状の「装置」が落下していた。火の海の中に落ちてしまったその「装置」を目にした匡彦は、焦燥の表情を浮かべて顔を上げる。
『ジュアァ、ァァアッ……!』
「ザイン……!」
一方、彼の眼前――発電所の門前では、ザインがネロンガとガボラの猛攻に晒され、防戦一方となっていた。
ネロンガの角から飛ぶ電撃と、ガボラの大顎から吐き出される放射能火炎。その両方から発電所を守るべく身を挺している彼のカラータイマーは、すでに激しく点滅している。ザインのピンチを目にした匡彦は、険しい面持ちで拳を握り締めていた。
(ネロンガに遅れを取るようなあいつではない……! やはりガボラかッ……!)
すでに多量の電気を喰らったことで透明状態を維持出来なくなっているネロンガは、それほど脅威ではない。電気に対する高い耐性を持っているザインならば、耐え凌ぐことも出来るだろう。
問題はガボラだ。放射能火炎の威力はかなりのものであり、加えてガボラ自身も体内に大量のウランを含有している。ザイナスフィアで撃破しようものなら、その瞬間にこの一帯を巻き込む核爆発が起きてしまう。
その2体に同時攻撃を仕掛けられているザインは、全く反撃に転じることが出来ずにいるのだ。ネロンガから先にザイナスフィアで始末しようにも、2体が肩を並べているこの状況では、どうして
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