第二章
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写真集も集め出ている雑誌は必ず買ってだった。
グッズも集めてインターネットでサイトのチェックも欠かさなくなった、コンサートにも足しげく通い。
研究室にも自室にもポスターを飾った、これには誰もが驚いた。
「教授どうしたんだ!?」
「急に茉祐ちゃん推しになったけれど」
「これまでアイドルとか興味ない感じだったのに」
「それがまた急に変わったわね」
「歌ってる曲いつも聴いてるし」
「コンサートにも行って」
「まるで別人だよ」
これまでの織田と比べると、というのだ。
「これまで経済学一辺倒だけと思っていたら」
「あとドーナツとか甘いもの」
「それがまたアイドル好きになって」
「別人みたいだよ」
「いやあ、茉祐ちゃん最高だよ」
織田自身も笑って言った。
「彼女は日本いや世界最高のアイドルだよ」
「ううん、何でこうなったんだ」
「いい歳してアイドル好きとか」
「太ったおじさんがアイドル好き公言するとか」
「どうしたものだよ」
「それでいいのかしら」
学生達もどうかと思ってだった。
織田のアイドル好きに首を傾げさせた、だが織田は止まらず。
亘鍋茉祐の応援を続け握手会にも行きたいと思った、だが。
ここでその脂ぎった手を見て彼は決意した。
「こんな手で茉祐ちゃんと握手出来ないな」
「じゃあ痩せます?」
「そうします?」
「そうしよう」
学生達に答えてだった。
彼はよく歩く様になり自転車に意識して乗ってだった。
甘いものも糖分を控えたものにしてコーヒーに砂糖を入れない様にした、そうしてだった。
若い頃程ではないがかなり痩せて脂分もかなり減らした、そのうえで彼女の握手会に行ったのだった。
そんな彼を見て高校生の息子そもそもの原因の雑誌を買っていた良樹若い頃の父親そっくりの彼は母に話した。
「親父変わったな」
「痩せてよかったわ」
母は息子に真面目な顔で答えた。
「本当にね」
「アイドル好きはいいのかよ」
「私だって俳優で好きな人いるわよ」
「だからいいのかよ」
「むしろアイドルの娘と握手する為に痩せたのならね」
脂ぎった手での握手は駄目だと思ってだ。
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