第二章
[8]前話
「技の出し方がどうも違ってな」
「普通の格闘ゲームとはまた違うのね」
「だからな」
それ故にというのだ。
「あの大会もだよ」
「出ないのね」
「ああ、けどな」
奏が作った夕食を共に食べつつ話す、メニューはハヤシライスである。
「実況はやってるからな」
「大会は出なくても」
「だからな」
「ゲーマーではあるのね」
「ああ、毎日やってるよ」
こう奏に言ってだった。
光太郎はその大会には出なかった、それは次に言った大会もその次の大会もで二人は結婚してもだった。
光太郎は大会には出なかった、仕事をしつつ実況ばかりしているので奏は夫となった彼に対して尋ねた。
「もう大会出ないの?」
「何か出る気なくなったな」
夫も否定しなかった。
「大会はな」
「実況だけでいくの」
「大会っていってもな」
一口にそう言ってもというのだ。
「好きなゲーム得意なゲームでやるとはな」
「限らないのね」
「勝ち負けも大事だけれどな」
「それ以前になのね」
「俺好きなゲームじゃないと出来ないんだよ」
「大会に出るならなのね」
「好きでもないゲームもしないとな」
大会でプレイされるゲームがそうであってもというのだ。
「いけないからな」
「好きでないゲームも出来ないと」
「大会には出られないんだよ」
「そう思うとゲーマーも大変ね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「俺はもう大会に出ないでな」
「実況だけでいくのね」
「好きなゲームしてな」
そのうえでというのだ。
「やってくな」
「わかったわ、それじゃあね」
「ああ、今日もやるよ」
妻に笑顔で言ってだった。
光太郎はこの日もゲームに励み実況を行った、そして彼は結局大会には出なかった。そのうえでゲームを楽しんでいったのだった。
ゲーマーも大変 完
2022・5・28
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