第二章
[8]前話
「狩りをしていないから食べられないと思って」
「分けてあげているとね」
「そう思っているらしいけれど」
こう夫に話した。
「チャイナはお礼みたいね」
「光りものが多いからね」
「色々持って来てくれるけれど」
「そうだね、けれどね」
「その贈りものが問題で」
「好意は嬉しいけれど」
「困ったものよ。だから玄関にモニターを点けて」
チャイナも出入りするそこにだ。
「何時何を持って来たかね」
「チェックしてね」
「お隣さんのものだったらね」
「返してるね」
「これからもよ。お隣さんは笑って済ませてるけれど」
それでもというのだ。
「ちゃんとね」
「返さないとね」
「変な癖がついたわ」
そのチャイナを見つつ言うのだった、そして。
モニカは友人で同じヒューストンに暮らしているセニカ=ハルトマンの家に行った時にチャイナの話をすると彼女に黒いマンチカンを紹介されて言われた。
バットマンっていうけれど」
「黒いからなのね」
「その名前にしたけれど」
「ニャア」
そのバットマンも鳴いてきた。
「雄でね」
「まさにバットマンね」
「この子もなのよ」
「ものをプレゼントするの」
「うちの娘にね」
そうしているというのだ。
「これがね」
「そうなの、娘さんに」
「毎晩私のお部屋からぬいぐるみを咥えて持って行って」
そうしてというのだ。
「娘の枕元に置いていくのよ」
「そうするの」
「この子はね」
「ニャア」
「ナア」
「ウニャン」
見ればもう二匹マンチカンがいる、一匹はグレーの雄でもう一匹は白の雌だ。セニカは彼等も見つつモニカに話した。
「キャプテンもウーマンもそれはないのに」
「バットマンだけがなのね」
「そうするの、娘は三匹共可愛がっているけれど」
それでもというのだ。
「ブラッシングはあの娘はバットマンにすることが一番多いから」
「そのことに感謝してなのね」
「毎日プレゼントしてるみたいよ」
「そうなのね」
「猫も感謝の気持ちはあるのね」
「そうね、うちのチャイナもだし」
モニカはセニカに笑って応えた。
「困る場合もあるけれど」
「その気持ちは嬉しいわね」
「本当にね」
二人で笑顔で話した、そうしてだった。
二人はそれぞれの猫達のことを話した、その話はこの上なく弾んだ楽しいものだった。そして家に帰ってだった。
モニカはチャイナから今度はビー玉をプレゼントされた、今回は隣人のものではなかったので素直に喜べた。
愛猫からのプレゼント 完
2022・5・27
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