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おっちょこちょいのかよちゃん
215 追跡の続き
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 異世界での「夜」が訪れた。さりは待機した場所で尾藤、もと子、さきこ、長山に清正と共に奪還した町で一夜を過ごす事になった。さりは護符で布団を出して皆に配った。
「それじゃ、お休み〜」
 皆は眠った。さりは夢を見た。周囲は暗闇だった。
「何なの、ここ・・・?」
 そしてどこからか声が聞こえた。
[貴様がその安全地帯でいつまでも呑気にしていられると思うな]
「はあ、別に呑気にしてる訳ないわよ!?これでも何度か敵を追っ払ってんのよ!」
「ふっ、強気な女だな」
「大体アンタはどこの誰なのよ!?顔出しなさい!!」
[俺だったら、どうする?]
 声が変わった。そしてさりの傍に一人の男が現れた。
「よう、久しぶりだな」
「き、君はかよちゃんの・・・!!」
 さりはそこで意識が遠のいた。

 さりは起きた。まだ夜中だった。
(あの夢は・・・!?それからあの子は確かかよちゃんの友達で、杉山君って子・・・!!)
 さりは見回した。しかし、誰も攻めて来る様子はなかった。自分には従弟のように見聞の能力(ちから)は備わっていない為、感知はできないのだが。さりはまた寝るのだった。

 朝になった。かよ子は直ぐに起きた。
「もう朝か・・・」
 かよ子は見回した。
(誰も来ていない・・・)
「起きたのか」
 石松も起きていた。
「うん・・・」
「昨日のシャルル・リゴーとの戦いの後、お主は意識を失っていたみたいであったが、その時夢を見ていなかったか?」
「え?あ、う、うん・・・」
 かよ子は答えようとした。
「男の人の声がしたんだ。『杖を守り抜けるか』って・・・。覚えてるのは、それだけ、ごめん・・・」
「別に謝る事ではない。お主は前にも幾度か悪夢を見ているようだったからな」
「うん・・・」
「おそらくだが、もしかしたら戦争主義の世界の人間の長かもしれぬな・・・」
「そうかもね・・・」
 そして皆も起きてきた。
「おっ、山田、早いなブー」
「ブー太郎、うん、私、落ち着かなくて・・・」
「藤木ならきっと取り返せるブー!それから杉山君やあの杯の持ち主の子もきっとオイラ達で取り返せるブー!」
「うん、そうだよね!」
 ブー太郎の励ましでかよ子は元気が出た。そしてまる子と友蔵は未だに眠っていた。
「ももこちゃん、起きてよ、朝だよ!」
 のり子が起こした。
「あへ、おはよう・・・。おやすみ〜」
 まる子はまた寝てしまった。
「全く、困った女子(おなご)だ・・・」
 次郎長が呟いた。
『皆様、朝食の準備ができました。今お持ちしますのでお召し上がりください』
 イマヌエルの声だった。オムレツに野菜スープ、そしてブルーベリージャムにパンにヨーグルトという献立だった。
「ももこちゃん、朝ご飯だよ!」
「えっ、ご飯!
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