過去編 ウルトラシスニャーファイト
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の子、もう私に「魅了」されちゃってるみたいだから』
『えッ……!?』
アークは師を救うべく斬撃の光輪を放とうとするのだが、当のシスニャーは弟子の攻撃を制止し、敢えてされるがままとなっていた。先ほど彼女が照射したハート型の光線によって、グリンショックスはシスニャーに「魅了」されていたのだ。
そのためグリンショックスは、触手で絡め取った彼女を懐に引き寄せはしたが――溶解液を浴びせようとはしていない。あくまで彼女を自分の手元に置こうとすることに拘っているのか、その巨体を彼女の肉体に擦り付けようとしていた。
『うふふっ……甘えんぼさんだなぁ。でも残念、あなたみたいにヌメヌメしてる怪獣って……私のタイプじゃないんだよねぇ』
そんなグリンショックスの姿に、妖艶な笑みを溢すシスニャーは。その優美な両手を怪獣の背に回し、豊満な乳房をむにゅりと押し当てるように抱き締めると――
『……ふんッ!』
――先ほど触手を引きちぎったパワーを全開にして。グリンショックスの上体を、「抱擁」の要領で両断してしまうのだった。
魅了の光線で相手の敵愾心を解きほぐし、懐に誘い込ませたところで放つ「ヘヴンズハグ」。女性戦士ならではの色香と、その裏に隠された攻撃性を併せ持つシスニャーの必殺技であった。
『アーク、この子は海水が弱点だよ! 後は分かるねっ!?』
『えっ……あ、はいッ!』
その悍ましい攻撃にアークと弘原海が戦慄を覚える中、シスニャーの声が上がる。気を取り直したアークが両腕を振りかぶったのは、シスニャーが「射線」から逃れるべく真横に転がった直後であった。
『メタリウムッ……アークシュートォッ!』
やがて、L字に構えられた両腕から放つ眩い光線が、再生直後のグリンショックスに直撃する。その光線の勢いに押し流された怪獣の巨体は、踏み留まる暇もなく海面まで吹っ飛ばされてしまうのだった。
――ヘヴンズハグによって上体を切断されたグリンショックスは、持ち前の再生能力を活かしてそのダメージからも回復して見せたのだが、千切られた上半身全てを再生し切るまでには大きな隙が生じていた。触手1本とは損失の量が比べ物にならないからだ。
その隙にメタリウムアークシュートを叩き込めば、グリンショックスが反撃に転じる前に弱点の海に突き落とすことが出来る。そこまで読んだ上での、シスニャーの作戦だったのである。
『……ふふん、どお? 凄いでしょ、うちのアークは』
そんな彼女の術中に嵌った植物怪獣は、そのまま海中で崩れ落ちてしまうのだった。教え子の必殺技が完璧に決まったことに喜ぶ女性戦士は、得意げに巨大な爆乳を揺らしている。2大ウルトラ戦士の勝利を目の当たりにした弘原海と琴乃も、上空でほっと胸を撫で下ろしていた。
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