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ウルトラマンカイナ
過去編 ウルトラシスニャーファイト
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時だった。

『こらこら、ダメだよアーク! 決着が付く前から諦めても良いなんて、お姉さんは教えてないぞぉ〜?』
『げっ……!?』

 突如、鈴を転がすような女性の声が鳴り響いたかと思うと。遥か上空から、女性のウルトラ戦士が飛来して来たのである。
 その女性戦士はグリンショックスの頭上からハート型の光線を照射し、怪獣の動きを足止めしていた。光線の効果によるものなのか、光を浴びた触手の動きは非常に緩慢なものとなっている。

 彼女はその隙にアークの傍らに着地すると、首に絡み付いていた触手を簡単に引きちぎってしまった。女性らしい優美な曲線を描いた身体からは想像も付かないそのパワーには、アークもBURKも困惑している。

『全く……地球での戦いでちょっとは成長したかと思ってたんだけど、まだまだ未熟さは抜けてないみたいだねぇ。そんなんじゃあ、立派なウルトラ戦士にはなれないよっ!』
『げほ、げほっ……! シ、シスニャー教官……!』

 地球に来る前のアークに戦闘の基礎を叩き込んだ、女性戦士の「ウルトラシスニャー」。彼女はおどけたような口調で「教え子(アーク)」を嗜め、咳き込むアークの鼻先を細い指先でピンっと弾いている。

 猫耳やツインテールに、尻尾を生やした紅いキャットスーツを想起させる特徴的な外見。たわわに揺れる巨乳の谷間に埋め込まれ、ピンクの輝きを放っている猫の肉球状のカラータイマー。細くくびれた腰に、ぷりんと弾んでいる巨尻。
 そのどれもが、従来のウルトラ戦士像からはかけ離れたものとなっていた。

「あ、あれもウルトラ戦士の1人……なのか!? どう見ても女じゃねぇか……!」
「……しかし、見た目が女だからと言って非力だとは限らないようですね。現に彼女は今、アークでもどうにもならなかった奴の触手をああもあっさりと……!」

 上空から戦況を見守る中、その(色々な意味で)規格外なシスニャーの容姿に瞠目している弘原海を他所に、琴乃は先ほど彼女が見せた並外れたパワーを思い返していた。

 斬撃光線の類でもないただの握力だけで、あの強靭な触手を千切ってしまったのだ。見かけこそ「スタイル抜群な女性」だが、その外見に騙された者から痛い目を見ることになるのだろう。

『……あんっ!』
『シスニャー教官ッ!?』

 それを知ってか知らずか、グリンショックスは触手で狙う相手をアークからシスニャーへと切り替えていた。グラマラスな彼女の肢体にねっとりと絡み付く緑色の触手が、その全身を這い回っていく。
 握力だけで触手を千切って見せたシスニャーのパワーでも、引き寄せる力には抗えないのか。彼女の肉体は徐々にグリンショックスの方へと引き寄せられようとしていた。

『シスニャー教官ッ! このッ……!』
『……大丈夫だよアーク。こ
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