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ウルトラマンカイナ
過去編 ウルトラシスニャーファイト
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 この次元の地球における、全ての怪獣災害の元凶となった殺戮集団――テンペラー軍団。その襲来から約2年前の地球は、当時のBURKと、ウルトラマンアークこと八月朔日要(ほずみかなめ)に託されていた。

『くそッ……! なんなんだこの怪獣、いくら斬ってもキリがないッ!』

 ――とある孤島の海岸線を舞台に繰り広げられている激闘。その戦場に立つアークは斬撃の光輪を矢継ぎ早に放ち、怪獣の一部である緑色の触手を斬り続けていた。

 だが、何度切断されてもその瞬間に再生する触手は、アークの斬撃などものともしていない。触手の主である「植物怪獣」ことグリンショックスは、何度身体の一部を斬られても意に介することなく、獲物であるアークを執拗に狙い続けていた。

『うッ!? くそッ……! こいつ、再生が早いだけじゃない……! これじゃあ、光線を外さないように近づくことも出来ないぞッ!』

 ――M78星雲に存在する惑星ソーキンを故郷とする怪獣「ソーキン・モンスター」。その一種であるグリンショックスは緑色の触手を全方位に振り回し、アークを寄せ付けまいとしている。

 従来種の半分程度の身長しかない50m級の個体なのだが、それでも今のアークにとってはかなりの脅威となっていた。
 アーク最大の必殺光線であるメタリウムアークシュート。その一閃を確実に叩き込める間合いまで、近寄れずにいるのだ。

『ぐぅうッ!?』

 やがて無数の触手はアークの首に絡み付くと、そのまま本体の懐に引き摺り込もうとして来る。頭部の花弁に貯蔵されている禍々しい溶解液は、ぐつぐつと煮え滾っていた。

 その光景から自分に迫りつつある危機を察したアークは、首に絡み付いた触手を掴み、懸命に踏み止まろうとする。だが触手の引力は凄まじく、アークは足元の土を抉りながらグリンショックスの眼前に引き摺り出されようとしていた。

『く、くそッ……! このまま、やられてたまるかッ……!』

 このままではアークが捕食されてしまう。その窮地を目の当たりにしたBURKの戦闘機は懸命にミサイルを連射し、その頭部に弾頭の嵐を叩き込んで行くのだが――植物怪獣は怯みもしていない。

「弘原海隊長、このままではッ……!」
「ちきしょうッ……! アークをやらせるわけには……うぉおッ!?」

 その光景に歯噛みする間も無く、まるでハエを払うかのようにグリンショックスの触手が飛んで来る。弘原海(わだつみ)隊長と駒門琴乃(こまかどことの)を乗せたBURKの戦闘機は、その一閃を辛うじて回避していた。

『く、くそォッ! もう、ダメなのかッ……!?』

 BURKのミサイル攻撃でもびくともしない植物怪獣。その攻撃を阻止する方法など、無いというのか。
 そんな考えが全員の脳裏を過った……その
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