第二章
[8]前話
「本名なのね」
「はい、それで家族と喧嘩しまして」
「家出をしていたのね」
「学校も退学はしていないですが」
「家を飛び出てなのね」
「当然行っていないです」
ハルクはクリスに話した。
「そうしています」
「それでホームレスをしていたのね」
「そうです」
「どうしてご家族と喧嘩をしたのかしら」
クリスはハルクにまずこのことを話した、それがわかれば家族と話して和解して彼が家に戻れると思ったからだ。
「一体」
「それは」
ハルクはその原因を正直に話した、それは些細なことで誰が見ても和解出来ることだった、それでだった。
クリスは自分それに教会の牧師が間に入ってハルクと彼の家族に話し合ってもらって和解する様にした、それは成功し。
彼は家に戻りまた学校に通える様になった、そして。
「親は喜んで認めてくれました」
「ジェイダのこともなのね」
「俺は家を出てから知り合った娘ですが」
クリスにそのジェイダを見つつ話した。
「親父もお袋も犬は好きで」
「飼っていいと言ってくれたのね」
「はい、じゃあこいつを連れてです」
今もジェイダを見て話した。
「家に戻ります」
「そうしてね」
「はい、色々と有り難うございました」
「ワン」
ハルクだけでなくだった。
ジェイダも礼を言う様に鳴いた、そのうえでだった。
ハルクはジェイダを連れて家に帰りホームレスでなく学生に戻った、その彼を見送ってからだった。
クリスは自分が預かるスタッフの一人に話した。
「生きものだけでなくね」
「人もですね」
「幸せにならないとね」
「命があるならですね」
「そうよ、誰でもね」
それこそ生きものも人もというのだ。
「幸せになる権利があるから」
「だから彼もですね」
「幸せになる様にしたのよ」
「そうですね」
「犬の幸せを願うのなら」
一緒にいたジェイダのというのだ。
「自分もよ」
「一緒にですね」
「幸せになるべきだから」
「彼が家に戻れてですね」
「よかったわ、それでこれからはね」
「あの娘もですね」
ジェイダもとだ、スタッフは言った。
「幸せになって」
「彼もね」
「一緒にですね」
「幸せになれるわ」
スタッフに笑顔で話した、そうして今施設にいる生きもの達が幸せになる様に彼等のところに戻って働くのだった。
ホームレスの少年と犬 完
2022・5・26
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