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母猫の優しい愛情
第一章

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               母猫の優しい愛情
 南アフリカケープタウンのトーマス=オグリビー色が薄いアフリカ系の彼の飼い猫であるブリティッシュチンチラのキラがだった。
 夫である同じ種類のヤンとの間の子猫を産んだ、その猫は両親と同じ茶色の毛であったが生まれたのは。
「一匹だけ?」
「猫でか」
 オグリビーは自分と同じ色の薄いアフリカ系で黒髪を長いドレッドにしている妻のアガサと共に驚いた。
「産まれた子は一匹だけか」
「普通猫って何匹も産むけれど」
「それがな」
 そうした生きものだがというのだ。
「一匹だけか」
「珍しいわね」
「そうだよな」
「こんなこともあるのね」
「そうだな、けれど生まれたからな」
 それでというのだ。
「この子もな」
「育てるのね」
「そうするな」 
 一匹のその子猫を見て話した、子猫はキラの乳を吸っていた。雌であって名前はミナとした。夫婦は親子三匹を可愛がろうと思った。
 だがそれでもだった。
 夫は妻にだ、一匹のダークグレーの産まれたばかりの子猫を家の中に連れて来て言ってきた。
「母猫の体調が悪いらしくてな」
「貰って来たの」
「四匹いたがな」
「そのうちの一匹をなのね」
「貰ってきたんだ」
「そうなのね」
「どうもキラも一匹だけだとな」 
 それならというのだ。
「寂しそうだからな」
「家族に迎え入れるのね」
「そうしてな」
「キラ達もなのね」
「家族が増えるからな」
 だからだというのだ。
「喜ぶだろう」
「それじゃあ」
「ああ、一緒にな」
 こう話してだった。
 オグリビーはその子猫をアスと名付けてだった。
 ミナの兄弟にしてキラそしてヤンの夫婦の子供にした、すると。
「ニャア〜〜〜」
「ナァ〜〜〜」
 アスとミナは全く喧嘩せずだ。
 いつも仲良くキラの乳を吸ってすくすくと育ち。 
 実の兄弟の様にいつも仲良くした、そして。
 キラとヤンもだった。
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