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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
窮地-ぜったいぜつめい-
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予感がし、俺は咄嗟に横へ跳んだ。

「うあああああ!!」

直後に聞こえる雄叫び。その声の主はゾンビ兵
ゾンビ兵が俺目掛け背後から忍び寄っていたのだ。

「なっ!?やめろ触るな女!!汚らしい!!」

飛びかかろうとしたのだろう。
ターゲットを失った彼女は勢いのまま前へ転びそうになり、誤って山本へと抱きついてしまう。

「おい!!離せ!!俺は葛城財団の山本だ!!!」
「ころす!!ころす!!れんさまのてき!!!」
「敵味方の区別もつかんのか!!この欠陥ひ…」

そのときだ。
山本がゾンビ兵を引き剥がそうと、前髪を引っ張ったその時

「…!!」

ゾンビ兵が、一瞬眩く光る。
何かと思った直後、ボコボコと膨れ上がり、

「れんさまああああ!!!あいしてま」

”爆発した”

「ぐっ…!!」


何が起きたかわからなかった。
咄嗟の爆風。凄まじい衝撃波に刀を突き立て、なんとかその場に留まる。
今のは…なんだ?

「不思議そうな顔してますねぇ?分かりませんか?役立たずが役立てる唯一の仕事。所謂”自爆特攻”ですよ。」
「何…?」

ビルの上からの声。
何が起きたかを丁寧に説明してくれる研究員。
自爆特攻だと…?

「サーヴァントに…そんなことをさせるのか…!!」
「ええ。あーちなみに、自爆させてはどうかと提案されたのはそこにいる置鮎さんでしてね。いやぁ、彼も中々面白いことを考える。」
「…!!」

反射的に置鮎を探すが、そこにはいない。
おそらくゾンビ兵の巻き添えを恐れ、輸送車に隠れたのだろう。

「ゴミはゴミでも使えるのならば使わないと。ほら、リサイクルですよリサイクル。サーヴァント達も最後の最後まで使えてもらって本望でしょうに。」
「貴様…ッ!!」

人からサーヴァントを奪い、それを生存奴隷とした挙句、最後には自爆特攻させる。

『非道』
葛城財団の奴らを表すのに、これ程似合う二文字はない。


「ぬぅ…!おい丹下!!改良しろ!!せめて敵味方の区別くらいつけられるようになれェ!!」
「ああすいません。ですが今のあなたにとってそれは蚊に刺された程度でしょう?気にしないでくださいよ。」

と、丹下に気を取られていると爆風で巻き起こった煙から山本が出てくる。
その様子は、全くの無傷。

「さぁて、この恨み、お前で解消してやるとするか。」
「…。」

視線が俺へと戻り、山本は楽しそうな笑顔を浮かべながら指をポキポキと鳴らす。

迫るゾンビ兵。
捕まれば自爆。
それに気をつけながら山本を倒す。
武蔵に助けは…求められない。
彼女もほぼ同じ状況だからだ。

やってきた隊員の量も今までと段違いに多いし、逃げ切るのもかなり厳しい。

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