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『外伝:赤』崩壊した世界で大剣豪とイチャコラしながら旅をする
窮地-ぜったいぜつめい-
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ない。
壁によりかかっている彼は片足がちぎれて無くなっており、腹部にも穴があいている。
長くは持たないだろう。
それに、俺達ではどうすることも出来ない。
「奴らだ…葛城…ざい…だんが…。」
「来たのね…。」
「きをつけ…ろ…。」
もう死がすぐそこまで迫っている。
だがレジスタンスのメンバーであろうその男は生に縋るのではなく、生きる俺達に警告した。
「ぞん…へ…に、きを、つけろ…。」
「ぞん?なんだ?なんて言ったんだ!!おい!!」
それだけ言うと、男は首をがくりと下げて動かなくなった。
気をつけろ、
何に気をつけろと言った?
彼の掠れて小さな声は、残念なことに俺達には届かなかった。
とはいっても、せめてこの人を弔ってやらねば。
そう思った時だ。
「出てこい!!宮本武蔵!!」
「…!」
噂をすればなんとやら。
葛城財団のお出ましだ。
「お呼びだぞ武蔵。」
「私に用があるってことは…あいつね…。」
外から聞こえる拡声器の怒声に嫌そうな顔をする武蔵。
壁にあいた穴から僅かに顔を出して覗かせると、やはりそこには奴らの姿があった。
「逃げようなどと考えるなよ!お前達は包囲されているし何より馬は捕らえている!!大人しく出てきて、置鮎隊長のセイバーと勝負をしろ!!」
隊員の一人がそう怒鳴り散らす。
わかった。素直に出る。だからそう急かすな。
「…。」
「いつも通りさ。軽く蹴散らしていけ。」
互いに見合い、頷くと俺達はそのまま爆発によって空いた穴から飛び降りる。
6階くらいなら、別になんの問題もなく着地できる。
サーヴァントに着地を任せる必要は無い。
「…。」
「嘘だろ…こいつら何階から…!」
着地すると、周囲にいた隊員達が驚いている。
しかし、俺を前にしてそんな悠長なことをしていられる暇はないぞ。
「隙だらけだ。飛び降りる最中に撃てばよかったろうに。」
刀を抜き、まずは目の前にいる2人をまとめて斬り捨てる。
奴らは自分が死んだことも、斬られたことも気付かず何もわからぬまま絶命した。
「コイツ…!!」
「待て。」
他のやつが銃をかまえる。
しかし、すぐに隣のヤツが手で遮って制止したのだ。
「竜胆大和の始末は”あっちの部隊”だ。俺達は手を出すなと言われただろう。」
「でも!そんなこといちいち気にしてら…」
敵を前に何を話し出したかは知らないが、斬らせてもらう。
撃たないのであればこちらからいく。
奴らの会話を途中で文字通りぶった斬り、俺は駆けた。
「露払いは任せろ。武蔵はランスロットだ。」
「ええ!」
俺の言葉を合図に武蔵も駆ける。
目指すは真っ直ぐ。その直線上にいる置鮎とランスロット
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